第89回:マスコミュニケーション

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 テレビ、ラジオ、新聞、出版…「マスコミ」という存在は、私たちの生活の実に近い部分にありながら、その仕事内容などから非常に華やかなイメージがある。学生たちの就職活動においても同様で、倍率・難易度ともに非常に高い、人気の職業としての地位を常に維持している。SFCにおいても、毎年マスコミ志望者はかなりの数に上る。映像製作や執筆を専門に勉強している学生も多く、そうしたニーズに応える授業も数多く開設されている。講師陣はいずれも第一線で活躍している作家・編集者の方々で、他大学や情報系の専門学校と比べても引けを取らない充実ぶりだ。

 この「マスコミュニケーション」も、まさにそんな授業のひとつ。36年間新聞記者として活躍された講師が、自らの豊富な経験を元に、独自のメディア論を展開する。扱うトピックは毎回異なり、「記者クラブ」や「Twitter」など、非常にホットな話題を取り上げる。

 この授業の最大の特色は、一学期間を通して同じ相手とペアを組んで行う「ペアワーク」にある。実際の新聞社でも、「ライター」と「デスク」という二つの役割が存在し、両者が協力してひとつの記事が作られる。この授業でもその方式を採用し、一週間ごとにペアの相手と役割を交代、つまりライター(課されたテーマに沿って記事を書く)役をやると、翌週はデスク(記事を校正し、タイトルをつける)役という風にして協力して記事を書き、毎授業の前までにWeb上で提出。授業内では、いくつかの記事について先生による講評が行われる。

 さらに画期的なシステムが、この「ライター」「デスク」のどちらにも属さない、「コメンテーター」という役割があること。Web上の提出欄には、各記事に対して無記名でのコメントがつけられるようになっており、コメンテーターは各記事に対してコメントを書く。個人的な感想として、このコメントの質が非常に高く、自分の文章を客観的に見てもらえる貴重な機会だったと思う。ときには辛口な評価をされることもあったが、むしろ自分の癖や弱点を認識することができ、ありがたかった。

 次回以降、実際の授業テーマや記事について触れていこうと思う。

                       慶應義塾大学SFC 環境情報学部 水谷 晃毅