第91回:マスコミュニケーション(その3)

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 今回のテーマは、「Twitterをどう使う?」。

 Twitterとは、2006年7月にObvious社(現Twitter社)が開始したサービス。個々のユーザーが「ツイート(つぶやき)」と呼称される短文を投稿し、ゆるいつながりが発生するコミュニケーション・サービスであり、広い意味でのSNSの1つ。「ミニブログ」「マイクロブログ」といったカテゴリーに括られることもある。(以上、ウィキペディアより引用)

 ここまで説明したところで、「何それ?」と思った人も多いだろう。「Twitter」という言葉を聞いたことはあっても、実際に使ったことがなければその利便性や面白さはわからない。そう、「言葉では言い表せない」サービスなのだ。最近ようやく日本でも広まり、「~なう」と言った日本語独自の表現も用いられるようになってきた。さらにこのTwitterに触発され、mixiなど他のSNSサイトにおいても同様のサービスが開始されたのである。「二番煎じ」と言ってしまえばそれまでだが、これらもまたユーザーたちの間で普及している。Twitterの打ち出した「ゆるいつながり」というコンセプトが、見事に現代社会にフィットしているわけだ。

 こういった技術に対して一目散に飛びつくのが、SFC。授業中、リアルタイムに学生たちの声を集め、教室前方にある大画面に表示。それを教授が見ながら授業を進める。そんなTwitterを利用した「質疑応答」まで行われている。授業の課題をTwitter上で答えたり、グループワークの議論をTwitter上で行ったりもする。

 そんな状況を踏まえ、このマスコミュニケーションの授業でも記事を書くことになった。設問は、「Twitterを授業で利用・活用することに対してどう思うか」というもの。それに対し、私のペアが書いた記事は、以下の通り。

 『私はつい最近Twitterを始めた。その理由は、所属する研究会では頻繁にフィールドワークが行われ、その際Twitterを利用して実況報告や諸連絡を行うからだ。当然、教授を含め、所属する学生全員がTwitterのアカウントを持っている。しかしSFCのようにネット環境が充実しているキャンパス内において、授業内容に対する反応をリアルタイムに求めたいのであればブログやチャットで十分であり、それが「Twitter」である必要はないと思う。Twitterの場合、俗に「つぶやき」と呼ばれているように、特定の相手に向けて行うものではないという点に最大の魅力がある。フィールドワークで用いた際にも、あくまで「記録」が目的であり、他者への報告は二の次であるという説明がなされた。授業の一環として形式的に用いられると、もはやそれは「つぶやき」ではなくなってしまう。Twitterには「ゆるい存在」であってほしい。』

 ポイントは、「つぶやき」というコンセプトをどう捉えるか。政治家のTwitterを利用など、これからますます議論を呼びそうだ。

                       慶應義塾大学SFC 環境情報学部 水谷 晃毅