第93回:マスコミュニケーション(その5)

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 今回のテーマは、「著作権法どう改正する?」。

 SFCは、おそらく日本全国でもかなり「デジタル化」が進んだ大学であると思う。無線LANだけならともかく、課題もWEB上で提出するし、授業資料もWEBからダウンロードする。当然のようにみなPCを使いこなしているため、プレゼンテーションを作る際など、画像や資料をインターネットでダウンロードして用いることも多い。他の大学生以上に、著作権法にも知っておくべきである。

 デジタル化が進む現代において、著作権法の問題は切っても切り離せない。インターネット上のコンテンツの「ダウンロード違法化」を含む改正著作権法が施行され、著作権者の許可無くアップロードされた音楽や映像を、ユーザーが自分のPCにダウンロードすることは、たとえ「私的利用目的」であっても禁止されるようになった。しかし、現実には罰則規定が無く、違法性を認知していなければ適用されないため、効力には疑問が残る。

 では、どのように改正すれば良いのだろうか、というのが今回の課題。

 『2010年元日、改正著作権法が施行された。従来は著作権を侵害していると知りながらダウンロードしても、個人的に利用する場合は規制の対象外だったが、配信側を規制するだけでは正規のビジネスを保護できないため、入手行為も規制することになった。海賊版DVDなど違法コピー対策として、ネットオークションへの出品や広告も禁止する。個人的な意見としては、著作権法はやはり配信側の規制だけに留めておくべきであったと思う。今回の改正法によってわれわれユーザーが萎縮してしまい、ネット社会の健全な発展にも影響を与えてしまう恐れもある。実際、大手音楽会社など著作権者側が自主的にPVをYoutubeなどに投稿している例もある。そういった「合法ダウンロード」をする際にまでユーザーが余計な心配をしなくて済むよう、あくまで入手行為は規制せず、違法な配信行為に対する規制を強めるなど別の対策をとるべきだ。』

 法律整備と、サービスの発展。両立するのは、非常に難しい。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅