第95回:地球環境技術論(その1)

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 地球環境問題の定義とは何か。一般的には、「原因と影響が1つの国や地域にとどまらず、国境を越え、あるいは地球全体にまで広がっている環境問題」とされている。例を挙げると、地球温暖化、酸性雨、オゾン層破壊、熱帯林の減少、砂漠化、海洋汚染など、誰もが一度は耳にしたことがあるような言葉が並ぶ。
それだけ、世間的にも注目されているということである。

 本授業では、数ある地球環境問題のうち、特に「地球温暖化」に焦点を当て、その原因や影響、対策に関して、技術的な観点から論じていく。

 温暖化は、他の地球環境問題と比べて、時間的・空間的に最も大きな影響力を持つ問題である。主な原因のひとつであると言われている「二酸化炭素」の発生源が、火力発電や自動車、製鉄など、世界中で行われていることからも、その広がりは容易に想像がつく。

 またこのような問題を考える際、「環境リスク」についても考えなければならない。環境リスクとは、これまで自然界に存在しなかった物質などが、ごく微妙でありながら人間や自然生態系の存在に影響を与える問題危険度を、数値で表そうというものである。環境ホルモンやダイオキシン、電磁波などがこの環境リスクに含まれる。

 持続的で利用が容易な、そして新しい利点が生まれるような、「21世紀型技術」の普及が進められている。本授業ではそんな最新の事例なども扱いながら、技術的対策について考察していく。

 次回以降、実際の授業テーマや内容について紹介していく。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅