サンタクロースの正体
今年のクリスマスイヴもにぎやかであった。不景気が叫ばれている中で、家でクリスマスを祝おうとする人が増えたせいか、ケーキ屋には行列ができ、チキンやローストビーフの売り場も人でごったがえしていた。皆やはりこのイベントの時は、いつもとは違う高揚感があるらしい。
子供のころ、クリスマスの時期になると、サンタクロースはいるかいないか、その正体は誰かという議論が、毎年されたことを覚えている。ちなみに私は最後までサンタクロースはいる方についていた。
クリスマスにおけるもっとも重要な登場人物は、このサンタクロースであろう。サンタクロースの起源には諸説あるが、東ローマ帝国配下であった小アジア(現在のトルコ辺り)の司教、聖ニコラウスを起源とするものが一般的である。
「ある町に、貧しさのあまりに娘を身売りせざるを得なくなった家があった。ニコラウスはその存在を知り、ある日の夜、皆が寝静まった頃にその家の煙突から金貨を投げ入れた。金貨はその時暖炉に干してあった靴下の中に入り、そのおかげで家族は娘の身売りを免れることができた-。」
この話がクリスマスの夜に、枕元に靴下を置き、サンタクロースからのプレゼントを待つ風習の起源となったと言われる。
「奇跡者」とも称される聖ニコラウスには、弱者を救う逸話が数多く残されているが、彼はそれを常に他の人に知られないようにひっそりと行っていた。その意味で、子供に気付かれないよう、枕元にひっそりとプレゼントを置く親はまぎれもなくサンタクロースである。また、恋人や家族の顔を思い浮かべ、彼らが喜んでくれるものを一生懸命考えてプレゼントを選ぶ、プレゼントはなくとも大切な人を思いながら時を過ごす…。クリスマスの過ごし方はプレゼントを枕元に置く以外にも色々ある。しかし、形はどうあっても、自分のことではなく、相手に、大切な人に喜んでもらいたい、役に立ちたいという真心―。 これこそが、サンタクロースの正体である。
サンタクロースはいる。
あなたのところには、サンタクロースは来ただろうか。
それとも、誰かのサンタクロースになっただろうか。
1日遅れのメリークリスマス。それぞれの過ごし方で、素敵なクリスマスを過ごしましたか。
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人の成長を支援する「洋々」GM。経営コンサルティング会社A. T. Kearneyにて、Managerとして金融機関を中心に数多くのコンサルティングを手掛ける。また、採用担当者として多くの面接を行うと共に、コンサルタント向け研修プログラムの作成、実施にも深く関わる。金融専門誌への執筆多数。慶應義塾大学経済学部卒。ミシガン大学ビジネススクール・MBA Essential program修了。