いとしさと、切なさと、心強さと-組織人編

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経営者の最も大切な仕事の一つは「組織を創ること」である。いい人を集め、その人を伸ばし、出来るだけ長くその組織に残りたいと思って貰える環境を作る。これは基本的にはとても前向きな仕事だ。しかし組織を取り巻く環境が変わったり、目指すものが変わったりすると、時に「後ろ向き」な作業を伴うものとなる。

JALや東京電力を例にとるまでもなく、経営状態の悪化をきっかけとして組織と体制の変革に踏み切る大企業も少なくないし、危機でなくとも組織を大きく見直すことは既に驚くべきことではない。こうした動きを米国流の合理主義が浸透してきた結果、仕方のないことと捉えることもできる。けれどもその裏側はそんな単純ではない。

経営者も人間である。誰だって嫌われたくない。この人ならと思って採用した人、黎明期から一緒に組織を作ってきた人、そして時に良き友人でもある人に、生活の前提を変えかねないことを伝えることは、大きな勇気と覚悟が必要だ。どれほどの時間をかけて伝える言葉を選び、「てにをは」に至るまで細心の注意を払ったことだろう。そしてその過程で感じたであろう様々な気持ち、それを仲間に伝える瞬間の胸の痛みはどれほどのものであろう。

一方、伝えられる側の痛みは言うまでもなく大きい。青天の霹靂に呆然となる人、感情を抑えきれずに対話の席についた経営陣をののしる人。自分のキャリアプランが狂ってしまったことに焦りを感じる人。家族の生活を守れなくなるかもしれないことに言いようのない不安を感じる人。その組織の中で一生懸命やってきた人であればあるほど、その傷は深い。また残る人にとっても、仲間を失うことによる喪失感は大きい。

辛い気持ちを振りきってまっすぐ前を見つめて伝える人がいる。ことここに及んでも会社や経営者に思いをはせ、自分との折り合いをつけ、前に進もうとする人がいる。体制の見直し、人員削減、リストラ-。文字にすればこんな短い、無機質な単語になってしまうこうした言葉だが、その裏側には伝える側と伝えられる側の色々な感情が内包されているのだ。

多くの恋愛がそうであるように、当事者でなければ愛の大きさなんて分からない。はたから見ればドライに見える仕打ちも、多くの場合その決断に至る経緯は見えない。また、普段は忠誠心を感じさせない振舞いをしていても、その人の胸の中までは見えない。そしてその「本当の部分」は愛が深いほど切ない。人が機能で結び付いたものが組織である。けれども真に強い組織はそれだけではなく、厳しくもあったかくて毛深くてゴワゴワしたものを持っている。

いとしさと切なさと心強さ。俺達洋々も、力を貸してくれる人たちがこうした感情を持てる組織を創りたい。

前へ。親愛なる全ての人に。


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