最初の授業

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「ヴィヴラ フランス!(フランス万歳!)」。
アルフォンス・ドーデの短編、「最後の授業」の有名な最終場面だ。時は普仏戦争に敗れ、ドイツに併合されることとなったアルザス地方。最後となるフランス語の授業で、アメル先生は母国語を大切にすることとアイデンティティを守ることの関係を説いた上で、冒頭の言葉を黒板に書いて授業を閉じる。

小説と同様、現実の世界でも最後の授業で、多くの先生は一番伝えたかったメッセージを生徒たちに投げかける。そして最後の授業で感じ取ったもので、それぞれの生徒にとっての一連の授業の印象が決まる。だから先生は気合を入れて、最後の授業に臨む。

一方、「最初の授業」もまた、先生は最後の授業に勝るとも劣らぬ気合で臨む。危機感を覚えるか、ナメてかかるか、興味を持って受けるか、嫌々受けるか、最初の授業で学生たちはモードを決めるからだ。最初の授業で受け取ったメッセージで、それぞれの生徒のその後の授業の味わい方が決まる。

高校卒業後、「お金持ちになる方法が学べるのかも!」と大いなる勘違いをして大学では経済学部を選んだ私だったが、その後も失望することなく、楽しく経済学を学ぶことができたのは最初に受けた授業のおかげだった。経済学の父祖の1人、アルフレッド=マーシャルの” Men with cool heads but warm hearts”という言葉をなぞりながら、先生が言った「冷徹な頭脳は凄く大事だけれど、それ以上にそれを統べる心を大切せよ」という言葉が、経済学と向き合う私のスタンスを決めてくれた。そして今でも”warm hearts, cool heads”は私の拠り所の一つとなっている。

大学の入学式やオリエンテーションもほぼ終わり、いよいよ最初の授業も始まりつつあるだろう。望んでその大学に入った人はもちろん、そうじゃない人もまずは最初の授業のメッセージに耳を澄まそう。そこには、きっと大学を味わうためのヒントがあるから。

大学生になったみんな、入学おめでとう。
自分のいるキャンパスでの4年間を、全力で味わい尽くせ。自分なりのやり方でいいから。
前途洋々!!


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人の成長を支援する「洋々」GM。経営コンサルティング会社A. T. Kearneyにて、Managerとして金融機関を中心に数多くのコンサルティングを手掛ける。また、採用担当者として多くの面接を行うと共に、コンサルタント向け研修プログラムの作成、実施にも深く関わる。金融専門誌への執筆多数。慶應義塾大学経済学部卒。ミシガン大学ビジネススクール・MBA Essential program修了。