【解説】2021年度の慶應義塾大学SFCの入試対策
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本記事では、2021年度の慶應義塾大学環境情報学部・総合政策学部(以下、SFC)の入試対策を紹介します。入試改革を経て、入試全体がどのように変わりゆくのかという背景に触れながら、効率的な受験戦略の立て方をお伝えします。
※ 本記事は「2021年度 慶應義塾大学法学部の入試対策」と内容が一部重複しています。
2021年度以降、入試はどう変わるのか?
具体的な対策について解説する前に、これまでの一般的な入試スタイルと、2021年度以降の入試スタイルの違いについて触れておきます。
これまでの入試は、一般入試に必要となる特定の科目を勉強して、その科目で受験できる大学・学部を選ぶスタイルが主流でした。たとえば、国語、英語、社会の3科目を固め、大学をまたいで、もしくは同一大学内の法学部、経済学部、社会学部、商学部を受験する、というスタイルです。
しかし2021年度以降、入試はより各大学・学部の適性を測る形へと変化していくと予想されます。つまり、その大学・学部に適した受験生をとるために、各試験に「独自性」が増すということです。そのため、仮に科目が同じであったとしても、A大学とB大学では出題の傾向や問題の質が全く異なる、という事態が起こります。そうなると、これまでのように「国語、英語、社会の3科目を固め、私大文系の系統の違う文系学部を併願」という受験スタイルが難しくなります。
これは一般入試に限らず、AO・推薦系の入試も同様です。小論文試験や論述試験、学科試験などの内容も、大学・学部・試験ごとに異なります。SFCでも、総合政策学部と環境情報学部の一般入試でそれぞれ課される小論文試験は、回答において評価されるポイントが微妙に異なるのです。
こうした背景から、2021年度以降の入試対策では、自身の興味や関心、大学で学びたい事柄を見極めたうえで、受験する大学・学部を絞り、やるべきことを取捨選択して入試対策に臨む必要があります。そうすることで、自身の進学にとって本質的に必要な準備を効率よく進めることが可能になります。
SFCの具体的な入試対策
一般入試とAO入試の両方を視野に
SFCの入試の大きな特徴は、AO入試と一般入試の親和性が高く、対策を同時に進めやすい点です。一般入試の小論文試験では、SFCに入学後に自身が挑戦したいプロジェクトの構想や、問題発見・問題解決の視点を求められる出題が多く、SFCにより適性のある受験生を選抜する意図が強く感じられます。
そのため、SFCを志望するのであれば、AO入試と一般入試の両方の受験を視野に入れると良いでしょう。AO入試を通してSFCへの理解を深め、問題発見・解決の視点を養うことで、万が一AO入試で残念な結果に終わってしまったとしても、一般入試を有利に進めることができます。
また、SFCは年間を通してAO入試を4回(夏AO、秋AO、冬AO(グローバル)、春AO)実施しており、一般入試も総合政策学部と環境情報学部の併願が可能です。特にSFCの志望度が高い人は、両方の入試を見据えて準備を進めれば、合格のチャンスを増やすことができます。
英語は英検準一級を目安に。
SFCの一般入試は英語(※)と小論文だけで受験が可能です。英語で合格ラインに達するには、英検準一級程度の実力が必要になります。準一級を取得していれば、AO入試の書類選考の際も加点対象となるため、検定取得も視野に入れながら準備をすると良いでしょう。
※ 英語のほかに、情報、数学も選択可能です。
SFCと他大学を併願するとしたら?
社会に対して特定の問題意識を持ち、その解決を通して社会貢献を考えている人や、幅広い学問分野に触れられる環境で実践的な学びを求める人にとって、SFCは理想的な環境です。
SFCに近い環境という観点から併願先として候補に考えられるのは、国際基督教大学(ICU)と、横浜市立大学。ICUは全員が教養学部に所属し、リベラルアーツな環境で学生生活を過ごせる点が最も大きな魅力です。横浜市立大学は、少人数体制で分野横断的な学びを得られるため、「教員と近い距離で、幅広くいろいろな領域に触れてみたい」と考えている人にとっては良い選択肢となるでしょう。
また、受験科目という観点で考えてみると、SFCの一般入試と青山学院大学の総合文化政策学部の一般入試は、ともに英語と小論文のみで受験できるため、併願しやすいと言えます。特に一般入試に比重を置き、メディア文化や、アート、デザインなどに興味を持っている受験生は、青学の総合文化政策学部を視野に入れてみても良いでしょう。
AO入試と一般入試、どうやって両立する?
例年、多くの受験生が頭を悩ませるのは、「AO・推薦系の入試と一般入試を両立するために、時間をどう使うべきか?」という疑問。
これはSFCの入試に限りませんが、AO・推薦系入試と一般入試を両立したい場合、勉強時間の7割から8割は一般入試の勉強に充て、残りの時間をAO・推薦系入試の準備に充てると良いでしょう。AO入試の場合、出願時期までこの配分を維持しながら並行して準備をしていれば、万が一SFCが残念な結果に終わった場合でも、そのまま一般入試の対策に切り替えられます。
ただし、書類選考の準備を先延ばしにしすぎると、出願直前になってすべての時間をAO入試に費やす事態になりかねません。書類の完成は出願締切の1か月前を目指し、なるべく早いうちから準備を始めしましょう。
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