第31回:志望理由書11~表現方法による差別化2~

4.表現技法による差別化の二回目です。具体的手法を紹介してきます。

手法1

時間軸からの脱却

時間軸からの脱却といってもピンとこないかもしれませんが、「脱却」ですので堅苦しく考えないでください。何でも良いのです。○○を△△にするという作業を自由におこなってください。

例えば、「志望理由書の中の自分を未来にする。」と以下のような文章が考えられます。

 2070年、地球温暖化は止まり、石油に代わる新たな代替エネルギーも開発され、この星は持続可能な未来へ向けて歩んでいる。

 しかしながらほんの60年ほど前までは、資源枯渇、オゾン層の破壊などあらゆる環境問題が懸念され、もう地球はもたないだろうとの予測もされていた。そこに一人の人物が現れ、これらの問題の根本的解決を図ったという。その名は・・・

実際に200X年~という書き出しの志望理由書で合格を勝ち取ったものもいました。

 
次です。時間とは何も過去、現在、未来といった大きなカテゴリーでくぎられるものでもありません。たった今この瞬間志望理由書を書いている時間も、一つの時間です。

それをふまえて「たった今この瞬間志望理由書を書いている自分を志望理由書の中の自分」にしてみましょう。

 鉛筆で下書きを終え、後はこの志望理由書をボールペンでなぞっていくのみとなった。今から綴る、私の思いを託した2000文字の一文字一文字を、是非心で感じてほしい。

 私はSFCに入って「~」がしたい。・・・

 
どうでしょうか?どんどんいきます。「きっかけに出てくる最後の自分をきっかけに出てくる最初の自分」に置き換えてしまいましょう。

  私は泣いていた。枯れたはずの涙が、もう一度溢れ出しては枯れ、溢れ出しては枯れを続けるほどいつまでも、いつまでも。

 高校3年間私は全力で~をしてきた。

(中略)

 しかし無情にも私のプロジェクトチームは選考から外れてしまう。その場ではチームの仲間を慰めていたが、家に帰り、急に何も考えられなくなって、その場に立ちつくした。10分くらいたって意識が戻ってきたころ、自分の異変に気付いた。

 私は、泣いていた。

 惨めさと悔しさが入り混じった感情が、ひたすら目だけを刺激し、とめどなく涙を流していた。

 この悔しさをはらすため、私はSFC~をすることを決意した。・・・

このような感じです。その他あらゆる瞬間の自分を、あらゆる時間の自分に置き換えていくことで、心にぐっとくる文章が描いていけるようになります。

 

手法2

一般的な「志望理由書の文章」という概念からの脱却

例えば2008年度B方式の志望理由書に対する指示は次の通りです。

所定の原稿用紙(2000字)を用いて、本塾大学総合政策学部・環境情報学部を志望した理由と入学後の学習計画をまとめてください。日本語を使用し、本人自筆、横書きで作成してください。

原稿用紙におさまる範囲で書かなければならない、学習計画も入れていかなければならない、と制約ばかりに目がいっていませんか?

この制約は裏を返せば「それ以外のことは何でもあり」なのです。特にA方式においてはわざわざ「自由に表現してください」との指示もあります。そこで「文章という概念からの脱却」を図ってみましょう。

 
  まずは一般的に考えられている文章でないものといえば詩や俳句、短歌(或いは川柳、狂歌)が挙げられます。特に高校時代に詩や俳句、短歌をやっていた人は大いに活用するとよいと思います。文章例です。

(前略)
 最後に、私のこの思いを一つの歌に託して終ろうと思う。

 2000字で 表しきれぬ想いあり
 会い、話そうぞ
 SFCよ。

これは面接で是非話したいことがあるという気持ちを歌った季語のない短歌を入れました(短歌は得意ではないので、皆さんもっと上手い歌を入れてください!!)。

 
一般的な志望理由書の文章という概念から外れたものはまだまだあります。

例えばラブレター。そもそもSFCを惚れさせるためのラブレターには違いないので、あえて本当のラブレターっぽくしてしまうのもありでしょう。

ただ、冗談の分からない教授もいると想われますのであまりにもふざけた内容は控えた方がよいと思います。文章例です。

  慶應義塾大学SFC。いつからか私は惚れていた。いつまでも現状に満足しないその情熱、一つに固執することなくあらゆるニーズに対応するその柔軟性、その他あらゆること全てに私の心は動かされた。これから4年間、是非この身を預けたい。・・・

 
その他まだまだ面白い「文章」があると思います。それを志望理由書にも応用してみてください。


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