第61回:イマジネーションと息づかい

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皆さん、こんにちは!
最近はあったかくなってきて、とても気持ちいいですね^^
SFCも昼は青空、夜は星空がすごくきれいです!SFCは、この時期が一番良い気がします!!

私事ですが、最近、家族と話すことを大切にしています。
研究会の影響もあり、『聴く』ということがとても楽しいことだと思っているからです。
まずは身内から、と思って、家族とたくさん話しています。

その中で、一番学ぶことが多いのは、やはり祖父です。
私の祖父は、昔、NHKのアナウンサーでした。
西澤祥平というんですが、七時のニュースをやっていたり、3、40年前のNHKでたくさんのことを伝えていました。

だから彼は、『伝える』のプロフェッショナルだと思います。
そして私はそんな祖父を尊敬し、私もこんな風になりたいと思っています。

そんな祖父に話を聞くと、毎回考えさせられます。

こないだは祖父に、『伝える』とはどういうことなのかということを聴きました。

祖父は最初に、
「『伝える』とは、イマジネーションと息づかいなんだ」
と言います。

「どういうこと?」と聞くと、

「まず、『伝える』ということは、自分の中で伝えたいことを思い浮かべて、その思い浮かべたことを相手に伝えること。」

だから、イマジネーションだと言うのです。

祖父はニュースを読む時は、交通事故だったらその現場を想像して、テレビの前の人に伝えていたそうです。
ただことばを伝えるだけではない。
とても深い考え方だと思います。

そして、そのイマジネーションを伝えられている人として、祖父は村上春樹を挙げました。
「なんでこんなに人気なのだろう」と思って村上春樹の本を手にし、読んでみると、「この人は、読者にイマジネーションを伝えられているからだ」と思ったそうです。

そして二つ目、息づかいとはなんなのかと聞くと、

「『伝える』っていうのは、正しい日本語とか、正しい言葉遣いが重要って思われるけど、そんなのはどうでもいい。仲間内では自然にやっている、【息づかい】が重要なんだ」
と言う。

親しい人とは、息づかいも自然に伝えています。
その息づかいを伝えることによって、より伝えることができるようになると、祖父は言います。

イマジネーションと、息づかい、この二つが伝わることによって、『伝える』になる。
何十年もの経験から導きだした、とても深い考え方だと思います。

皆さんはどのように思いますか?
私自身、もっともっと勉強して、このことばがもっと深くわかるようにしたいと思っています。

慶應義塾大学 総合政策学部 山本 峰華