政経の授業紹介 「ジャーナリズムの法と倫理」

せっかく学校が始まったので、早稲田大学政治経済学部の授業について書こうと思う。

今日受けた授業は「ジャーナリズムの法と倫理」という山田健太教授の授業。ジャーナリズムに関連する法規定について解説する授業で、歴史的な背景も振り返りながら他国との比較も行っていくような感じ。興味深かったので、内容に関して大まかにまとめたい。

 

各国間の憲法が様々に異なるのは、憲法が歴史を背負っているからだという。特に日本国内のジャーナリズムに関する法律は欧米と比べて特殊性を持っている。

表現の自由

まず日本国憲法には、表現の自由における但し書き(例外)がない。一方で特にドイツにおいては、原則として表現は自由だが、ヘイトスピーチなどの民主主義を揺るがしうる表現は規制される。このような違いは第2次世界大戦頃からの歴史的な文脈の差異からきている。ナチ思想の台頭により戦争へ突き進んだことへの反省を踏まえた規定として、ヨーロッパにはそのための但し書きが設けられているらしい。日本国内ではその但し書きがないからか、近年右翼団体によるヘイトスピーチが社会問題化するようなこともあった。

検閲・盗聴の禁止

日本国内に関しては、政府による検閲や盗聴の禁止が、わざわざ記載してある。その一方でアメリカでは検閲や盗聴は特に戦時においては積極的に行なわれ、国防総庁が報道に深く介入している。この違いも、日本が15年の戦争の歴史を背負っている証左で、国がジャーナリズムに関して厳しい介入を行った歴史的文脈を踏まえてのことらしい。また、盗聴も昨今のテロリズムを背景に、アメリカでは政府による盗聴が行なわれている一方で、日本国内ではそのような規定が明確に存在し、それが「テロ対策」を慎重に進めていかざるをえない一因でもあるそうだ。

 

他にも様々に解説されていたが、割愛。。。ジャーナリズムや法律に関する授業をとったのは実は初めてだったが、初学者にもわかりやすく、非常に興味深い授業だった。歴史的な文脈によって国の制度がどのように形成されるかということやその制度による副次的な弊害などのスケールの大きな話が好きなので、今後も授業が楽しみ!