脱・丸投げ思考

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総選挙が終わって1週間がたった。前回は事前予想を大きく上回る形で自民党が圧勝したが、今回はほぼ当初の予想通りの結果となった。結果として自民党は、結党以来初めて衆議院における第一党の座を譲ることになった。

首都圏に台風が近づいていたにもかかわらず、投票率はおよそ70%と現行の選挙制度になって最高となり、政治への関心が薄い、と言われ続けた日本国民は変わりつつあるようにも見える。

政治家としての実績のない「小沢ガールズ」たちの前に、現職の閣僚、党の代表や執行部、首相経験者まで多くの「重鎮」達が苦杯をなめた。経験を積み、実績を上げ、要職を歴任し、知名度を上げ、地元に有形無形の恩恵を与え続けてくれたはずの「重鎮」たちに有権者は容赦なくNoを突き付けたのである。日本が政党政治に移行した、といえるかどうかはもう少し時間が必要かもしれないが、少なくとも今回の選挙では、政治家個人ではなく政党が重視された。

2005年の総選挙で自民党に勝利をもたらしたのも、今回民主党に勝利をもたらしたのも、同じ日本国民である。4年前、閉塞感を感じていた多くの国民は、「郵政民営化」の是非を問うた小泉政権に、旧体制への挑戦を期待した。そして今回、自民党政治への絶望が民主党への期待に形を変え、民主党の大勝をもたらした。何があっても特定の政党を支持する、という人達が減り、今のままじゃいけない、変わらなければいけない、と思い、思うだけではなく投票により意思表明する人が増えた。政治は既に一部の人達のものではなくなっている。

もちろん、変えたいものは人によって異なる。それ以前に、何を変えたいのかが明確でない人もいる。今回民主党に投票した人も、「マニフェスト」に掲げられた一つ一つの政策を見たら違和感がある人もいただろうし、自民党の「マニフェスト」に書かれたことも個別に見たら賛成、という人も多いだろう。そもそも前回も今回も、両党のマニフェストを熟読し、政策の細かなところまで理解した上で、多くの人が投票したとは到底思えない。その意味で、前回自民党が勝ったのも、今回民主党が勝ったのも、とにかく変えたい、変わりたいという思いの表れであったと言えよう。「政権交代」という政策でも何でもないことを論点に据えた民主党が大勝したことがそれを物語っている。

課題が山積みの今、これから政権を担う民主党を是非応援したい。が、自民党政治は悪だった、という単純な二元論に基づいて、「民主党が変えてくれる」と無責任に期待することはするつもりはない。先輩たちが築いた「これまで」に感謝しながら、「今」本当に必要なこと、やらなければいけないことを自分たちで見つけ、試し、修正しながら後輩たちに引き継いでいく。これをそれぞれが考え、行動することが今私たちに求められていることだと思う。

アメリカが危機に瀕していた1961年、大統領に選ばれたJ.F.ケネディは就任演説で言った。
「アメリカがあなたに何をしてくれるかではなく、あなたがアメリカに何が出来るかを考えよう」

これからの日本を作っていくのは、民主党でも自民党でもない。私たち自身である。
「日本があなたに何をしてくれるかではなく、あなたが日本に何が出来るかを考えよう」

頑張れ、日本。頑張ろうぜ、俺たち!


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