俺たちの「クリスマス・キャロル」

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「あの時もっと勉強しておけば…」「あの時もっと全力でぶつかっていたら…」「あの時告白していれば…」「もう少し若かったら留学したのに…」。こうした後悔をした経験は誰しもあるだろう。

しかし、多くの人が気づいているように、こうした後悔は年齢に関係なくあらゆる人が持ちうるものである。下は小学生から、上は定年で仕事を引退した人(あるいはもっと上の方も)まで、どんな若くても、またどんなに年を重ねても「あの時…」という感情を持たない、ということはない。

後悔をもたらすものは、気付きである。予め目標を定めて、それに向けてわき目もふらず駆け抜け続けることだけで生きていけるほど、人間の想像力は豊かではない。想定できることなど、それまで生きてきた経験から導き出したほんの僅かなことでしかない。日々生活を営む中で、目標を決めた時には全く気付かなかったことに否応なく気付かされる。

大切なのは、気付きを得た時にどう動くか、である。気付いた時、人は大なり小なりショックを受ける。早く始めなかったことを悔しがり、それを教えてくれなかった親を恨み、先生を恨み、友達を憎み、何よりそれまで気付かずに過ごしてきた自分を呪う。しかし、結果何もしない。何となく自分と折り合いのつく理由を考えだし、納得させ、またいつもの日常に戻る。これを繰り返しているうちに、いずれ気付くことすらなくなってしまう。そう、クリスマス・キャロルのスクルージ爺さんのように。

人の道さえ外さなければ、やってみて取り返しのつかないことなんてほとんどない。そして、多くの場合、やって失うものよりもやらないで得られないことの方が大きい。 もし、「あの時やっておけば…」と思うことがあるなら、今からでもやるべきだ。「今」はすぐに「あの時」になる。

過去は消せない。が、未来を積み上げて行くのは全ての人に許された権利である。遅すぎることはない。人はいつでも新たなスタートが切れる。

まず、やってみよう。


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