「所得格差が教育格差の原因」は本当か

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所得格差が教育格差の原因、と言われ始めて久しい。「子供の大学進学状況は、親の年収1,000万円以上と以下で有意な差がある」というデータを引き合いに出して、政治家が社会問題として取りあげることも多くなった。しかし、「お金」を教育における最重要論点に据える姿勢には強い違和感を覚える。

確かに、教育の多くの機能がお金で買えるようになった今、お金が沢山あれば選べるものは増える。また、経済的事情で進学を諦めなければならない子供がいるのも事実だ。けれども、それをもってお金がないといい教育を受けさせられない、と考えるのは短絡的だ。

公文、しまじろう、ECC、日能研、四谷大塚…。小学生以下に絞ってもお金を出して学ぶ場は山のようにある。都市部では中高一貫の私立校の人気は相変わらず高いし、海外のボーディングスクールに留学する中高生も増えていると聞く。しかしこれらは全て手段にすぎない。「どんな人間として世に送り出したいか」というヴィジョンと、「子供と『自分なりの精一杯』で向き合う」という覚悟なしに、どんな手を打ったところでむなしい。

もし「教育格差」なるものが存在するとするなら、それは親の子育てへの本気度の差によるものであろう。決して所得の差ではない。本気度に比べたらやり方の違いなんてどうだっていい。子供と真剣に向き合い、世の中を見つめ、必要なことを見極め、適切だと信じるやり方で施す…。お金がなくても、時間がなくても、育む人が必死で考え、精一杯やった結果であればそれがどんな形であろうとも、きっと子供には伝わる。子供の成長に最適な教材や方法論は、親子の本気の対話の中にしかない。

お金がないことなんて言い訳にならない。大切なのは、「何をさせるか」ではなく「どんな人として育みたいか」だ。そして、自分の導きが、ともすれば子供の将来を大きく変えることになるという重圧と闘いながら、本気で子供と向き合い、信じる道を親なりの精一杯でやりぬくという覚悟だ。

お金を出せば様々な教育が受けられる時だからこそ、お金を出しても買えない教育に光を当てたい。自分のやり方が正しいか、他の人と違うのではないかといたずらに不安がるのではなく、子供を全力で抱きしめることを大切にしたい。「しまじろう」がいなかった30年前、親達が自分たちにやってくれたように。

次世代の若者を育む立場にある者として。


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人の成長を支援する「洋々」GM。経営コンサルティング会社A. T. Kearneyにて、Managerとして金融機関を中心に数多くのコンサルティングを手掛ける。また、採用担当者として多くの面接を行うと共に、コンサルタント向け研修プログラムの作成、実施にも深く関わる。金融専門誌への執筆多数。慶應義塾大学経済学部卒。ミシガン大学ビジネススクール・MBA Essential program修了。