恩返しの形

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社会人になって、様々な地方都市を回ってきた経験の中で驚いたことがある。それは地元に貢献したいと言う気持ちが強い人の多さだ。大人はもちろん、都市部に出ている若い人たちの中でもいずれは地元に戻ることも考えている人が多かった。生まれてから社会人になるまでずっと首都圏で過ごし、何度かの引越を経験していたこともあって、そこまで地元意識がなかった私にはこれがとても新鮮だった。もちろん愛着はあるが、「地元」と思っている場所に再び住もうと私は考えたことがなかった。

地方都市は、大都市部に比べるとどちらかというと目先解決しなければならない課題が多い。高まり続ける高齢者比率、減り続ける財政収入、活気をなくして行く街。特にかつて栄えていたであろうことが分かる場所ほど、よそ者から見てもそのさびれ様に切なくなる。自分が生まれ育ったこの町をなんとかしたい、と地方の人が思うのも不思議ではない。また大人も、我が子が出来ることなら地元に残って欲しいと思うのも自然だ。

けれども、地元に直接貢献することだけが唯一の選択肢になってしまうと、時にそれが本人を苦しめる。結果として、その人の力が活かしきれないことだってあるだろう。

コミットを求められる人間関係全てにおいて同じことが言える。家族、恋愛、友達づきあい、仕事。最大限コミットするのが一番分かりやすいが、どのような形で自分が関わるか、その関わり方には色々ある。親のそばについていてあげるのももちろん一つの親孝行の形であるが、親にはほとんど会えなくとも、親から貰ったものに感謝しつつ、それを土台に今持てる力を社会に還元するのも立派な親孝行だ。親孝行にも様々な形がある。

どちらがいい、悪い、と言うことではない。また、単純な二者択一ではなくバランスも大切だ。しかし大事なのは色々な形があることを知り、それを自分の基準で選ぶことだ。コミットメントの形を決めるのは最後は自分である。

受けた恩を恩を受けた人に直接返す。受けた恩を今度は別の人に渡す。どちらも恩返しの形だ。


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人の成長を支援する「洋々」GM。経営コンサルティング会社A. T. Kearneyにて、Managerとして金融機関を中心に数多くのコンサルティングを手掛ける。また、採用担当者として多くの面接を行うと共に、コンサルタント向け研修プログラムの作成、実施にも深く関わる。金融専門誌への執筆多数。慶應義塾大学経済学部卒。ミシガン大学ビジネススクール・MBA Essential program修了。