第38回:キャビンメイト(その4)

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 Michailと、俺と、さぁもう一人。
なんと、まさかの日本人。「3人とも国籍バラバラ」って聞いていたので、最初に知ったときはそりゃあビックリしました。

彼の名前は「モトさん」。関西出身の、税関の方です。船の中では最年長くらいだけど、見た目はかなり若い。というか、この事業に参加している人たちは、基本的に実年齢よりだいぶ若く見える。見た目だけじゃなく、ノリも若い。俺(当時20歳)より、確実に若い。まぁ、俺が老けてるだけっていう噂もあるけど、それを踏まえても十分若い。「自分も将来こんな大人になっていたいなぁ」と思うような人が、船の上にはたくさんいました。そういう出会いも、この事業ならでは。

モトさんも、その一人。爽やかで、話しやすくて、良い人。そんなTHE・イケメンを、女性たちが放っておくと思いますか?

《ある日の出来事》俺が一人でキャビンに戻りドアを開けると、足下に小さく畳まれた紙が落ちていました。表面には”To Moto”の文字。こ、これは・・・!?

はい、普通にラブレターでした。(船の上ではもちろんメールなんてできないので、やり取りは口頭か手紙で行うことが多いのです。)
開けたい!いますぐ開けて中を読んでしまいたい!!!
はやる気持ちを抑え、そのままモトさんに渡しました。

モトさん:「あー、あの子か・・・」
俺:「えっ、心当たりあるんですか?」
モトさん:「うん、仲良くなってさ」

サラッとそう語るモトさん。モテる男・オトナの男は、やっぱり違う。
(ちなみに、その後の進展については残念ながら全く知りません。今度会ったときに、全力で問いつめたいと思います。)

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅