第1回:世界青年の船

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 「世界青年の船(the Ship for World Youth Program)」をご存知だろうか。日本の内閣府が毎年行っている青年国際交流事業である。簡潔に、ものすごくフランクに言うと、世界12カ国から代表青年が選ばれ、ひとつの巨大な豪華客船に詰め込まれて、約1ヵ月半、船の上でディスカッションやスポーツ、異文化交流などをしながら、数カ国を訪問する、というものだ。事業の目的としては、ずばり「将来の国際社会のリーダーになるような人材を育成する」ということ。実際、OBには元大統領や国際機関で活躍している人も大勢いるらしい。

 「青年」と言っているように、この事業の参加には年齢制限が設けられている。18歳~30歳までの男女。AO入試を考えている受験生の皆さんは、まだまだ十分にチャンスがある。しかも、日本政府が主催する事業のため、日本代表は120人くらい枠がある(良くも悪くも、全参加青年の約半分が日本人なのである)。各都道府県ごとに地区選考を行い、そのあと書類選考、霞ヶ関での教養試験&英語面接&グループディスカッション・・・徐々に絞り込まれていく感じだった。

訪問する国は毎年変わるのだが、今年はインドとUAE(ドバイと言った方が分かり易いかもしれない)を訪れた。現地には3~4日間ずつ滞在し、表敬訪問や視察、現地の人々との交流など、盛り沢山の内容だった。そのほかにも途中で給油をするため、「横浜→シンガポール→インド(チェンナイ)→UAE(ドバイ)→シンガポール→那覇→東京」という航路となった。

 ここまでの説明を聞いただけではまだ、「なにそれ?」といった感じだろう。しかし、これだけははっきりと言える。

 この事業は、私自身の人生観や考え方をも変える、素晴らしい経験だった。

 少しでも多くの方に、中でもAO入試を受験した・あるいは受験しようと考えている方には特に、この事業について知っていただきたいと思い、今回この連載をさせていただくことになった。この事業の選考過程や船内活動において、AO入試という経験、そしてSFCという恵まれた環境での学生生活が、非常に大きなメリットとなったことは間違いない。そういった点も含め、ときには「ぶっちゃけトーク」(例:船上での恋愛事情)なんかも交えながら(笑)、毎週少しずつ書き綴っていきたい。

 今回は第一回ということで概要っぽくなってしまったが、次回以降テーマを絞りながら、よりリアルな話をしていこうと思っている。

 ぜひ気楽に、読んでください。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅