第7回:日本代表への道(その4)

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 都道府県選考を通過すると、県の代表青年として内閣府に「推薦」されます。例によって、まずは書類選考。しかし一応県選考を通過しているので、ここは問題なく合格。おそらく形式的なものなのだったと思います。

 そしていよいよ、内閣府による「二次選考」。日本代表への道、ここが最大の山場です。

 そもそも試験会場が「霞ヶ関」。日本の中枢、役所が立ち並ぶといった、何となく重々しいイメージ。神奈川在住、しかもSFCという「果て」に通う私にとって、そこはニュースで見るだけの遠い存在でした。実際行ってみると、予想通り警備員は沢山いるし、心なしか道行く人々も「エリート」っぽい感じがするし…とりあえずアウェーであったことは間違いありません。

 この内閣府二次選考を受けるに当たって、私は神奈川県のIYEO(青年国際交流機構)に連絡を取り、昨年度の世界船事業に参加したOBの方を紹介していただきました。その方にメールでアドバイスを貰い、少しでも試験対策を…と考えたのです。

 試験対策といっても、「面接」に関しては少しだけ自信がありました。AO入試を経験しているというのももちろんですが、それ以前に、私の高校生活は毎日が「面接」だったからです。面接官は、部活動の顧問の先生。この先生のオーラが凄いのなんのって…(笑)言葉では言い表せません。毎日、朝練を終えると鍵を返しに「面接」に行き、昼休みには主将として連絡事項がないか恐る恐る伺い、練習開始前にはメニューを聞きに、そして練習後にはマンツーマンでの居残り練習…それらすべてが「面接」でした。柔道オリンピック金メダリストの石井選手が「先生のプレッシャーに比べれば、屁のつっぱりにもなりません」という言葉を残していますが、私の場合も本当にその通りです。

 だから正直、AO入試においても、そして今回の内閣府二次選考においても、「面接」は私にとって緊張するものではありませんでした。普段どおり話すことができ、むしろ面接官の方とのやり取りを楽しむことができました。どんな面接においても、「相手を楽しませる」「自分が楽しむ」ということが大切だと思います。

 試験である以前に、コミュニケーションですから。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅