第15回:事前合宿(その3)

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内閣府、つまり「国」が主催している国際交流事業ということで、船の上や各寄港地で、オフィシャルなパーティーや式典が何度も行われます。

特に寄港地でのレセプションパーティーでは、現地の大使館や省庁、企業の方々が大勢いらっしゃるため、いかにも「パーティー」らしい雰囲気に。料理も、普段のビュッフェの数倍豪華です。

となると、当然気にしなければならないのが「マナー」について。ナイフとフォークの使い方、グラスの持ち方くらいなら私も心得ていますが、もちろんそれだけでは不十分。服装、立ち居ぶるまい、国旗の掲揚順にいたるまで、ありとあらゆる所できめ細やかなマナーが求められます。

パーティー開始の乾杯の合図と共に、体育会系らしく飲み物は誰よりも早く飲み干し、人をかき分けて料理へと突進して行き、自分の大好物、例えばスモークサーモンやサーロインステーキなんかを山盛り盛りつけ、両手は皿で塞がってしまい、そのせいでうっかりナイフとフォークを持って来るのを忘れ・・・

そういったことがないよう、事前研修中にみっちりと作法を叩き込まれます。仮にも「日本代表」ですから。

また、服装についてもきちんとした規定があり、これについてもレクチャーを受けました。大きく分けると「スーツ」「民族衣装」「スマートカジュアル」「カジュアル」の4つ。日本の民族衣装は「着物」になります。「浴衣」はカジュアルな部類に入るらしく、公式レセプション等では着ることができませんでした。

スーツとカジュアルはいいとして、厄介なのが「スマートカジュアル」。

まず、この言葉自体を聞いたことがないという人も多いでしょう。スーツとカジュアルのちょうど間、「スマートに見えるカジュアル」らしいです。定義もいろいろあるようですが、この事業では、「ジーンズやサンダルはNG。シャツは必ず襟付き。」とされていました。

まあ実際にはジーンズはいている人もいたり、襟がなくてもジャケットを上に着ていればそれっぽく見えたり・・・船上でのセミナーや寄港地での訪問活動など、多くの場面で着ることになったのですが、大方の予想通り、段々とあいまいになっていきました(笑)。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷 晃毅