第21回:ギリシャ(その2)

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 「Are you Japanese?」

 いかにも見た目通り純日本人です。私がそう応えると、彼女は嬉しそうにこう続けました。

 「I love Japanese Manga!!」

 そう、彼女は日本の漫画の大ファン。私よりも知識が豊富で、あの漫画のこのキャラクターが好き、などマシンガントークで攻めて来ました。そして、「翻訳された日本の漫画を安く買えるサイト知らない?」と聞いて来たのです。こりゃおそらく相当なコレクターだ。

 しかし漫画はコンビニで立ち読みする派の私は、「たくさんあるよ0たとえば…Amazonとか」と答えるのが精一杯。彼女は爽やかに笑って、去って行きました。

 ギリシャ人の友達が気を使ってその場を離れ、せっかく二人きりにしてくれたのに、結局名前すら聞かずにさよならしてしまった私。友達のもとに戻ると、「もう帰って来たのか!?なにしてんだよ!?」と呆れられました。

 それ以降、町中で可愛い女の子がいると「Koki, NIKE!!」と連発されるように。「NIKE = Just Do It」。さすがギリシャ人。

 先週末は、別のギリシャ人の友達が主催するスカウト(日本で言うボーイスカウト・ガールスカウト)のフィールドワークに参加してきました。最初の一泊をギリシャのChios Islandという島でキャンプし、そのあと船でトルコへ。イズミールというトルコ第三の都市で二泊して、帰ってきました。

 日本も含め、スカウト初体験。高校生9人と一緒に、海や遺跡に行ったり、自炊したりしました。高校生なので多少英語は通じるのですが、日本と同じでやはり個人差があるので、片言のギリシャ語も交えながらコミュニケーションを取りました。

 トルコでは、これまた世界船で出会ったトルコ人の友達とも再会することができました。食事も観光も、丸二日間つきっきりでガイドしてくれ、各国に友達がいるありがたみをさらに実感。ギリシャ・トルコ・日本という、国籍バラバラな男三人で、美味しいビールを飲みながら語り明かしたのでした。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷 晃毅