第33回:ラテンダンス(その3)

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 Abbeyは練習のときから常にハイテンション。
くるりと回すと「Yeah!!」、もう一度回すと「Yes!!」、さらに回すと「Oh, Yeah!!」。リードする側としても、これだけバラエティに富んだリアクションが返って来るとすごくやりがいがある。
調子乗って、どんどん回す。もうね、満面の笑みですよ。あとで練習風景の写真を見たら、めっちゃニヤニヤしてる自分がいたわけです。3年分くらいのニヤニヤを使い果たしたんじゃないか、っていうくらい。仕方ないね、完全に不可抗力。

 みるみるうちに上達していったので、なんと発表会本番では舞台上のセンターで踊ることに。AKBで言うと、ちょっと前まであっちゃんがやっていたポジション。
(いまセンターやっている子の名前は知りません。ちなみに今年の三田祭の前夜祭にはAKBが来るらしい。別に行かないけど。)

 基本の動きを早くからマスターしていたので、他のペアたちがやっていない難しいステップも3つくらい覚えることになりました。
エクアドルのイケメン青年が最初にお手本を見せてくれた時、「え?!おっ!?ちょっ!!」っていう反応しかできなかった、そんなステップ。
冷や汗かきながら叩き込みました。いまじゃもうすっかり覚えていません。

 そして迎えた本番。

 女子はセクシーめなドレスやワンピース。男子はYシャツのボタンをはだけさせて・・・気分はラテン系。見た目はどうだか知らんけど。新橋あたりの酔っぱらったサラリーマンに見えるのかもしれないけど。本人たちの気分だけはラテン系。
軽快な音楽に合わせて、観客たちの声援を浴びながら、踊る。回す。ニヤける。(いや、この時はかなり真面目だった。)
最高のダンスが終わると、拍手喝采の中、Abbeyからいつも以上の「Yeah!!」が。

 そして、頬にキスのプレゼント。

 この瞬間、確信しました。ラテンダンス、最高。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅