第35回:キャビンメイト(その1)

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船の上では、3人一部屋の「キャビン」で寝泊まりすることになります。二段ベッドが一つに、一段ベッドが一つ。固めのソファ(ただの長椅子?)と机、小さめのテレビに冷蔵庫も完備。シャワー+トイレのユニットバスもついています。一人一人にクローゼットもあって、かなり住みやすい部屋でした。狭すぎず広すぎず、ちょうど良いくらいの広さが、いかにも「キャビン」って感じ。

その上でやはり気になるのは、同じ部屋の2人が誰か、ということ。(クラスメイトやルームメイトに習い、「キャビンメイト」と呼んでいました)。
キャビンメイトが発表されたのは、外国の代表青年たちも集結した、乗船直前の研修中でした。皆必死に探しまわっては、あちこちで感動の初対面を果たしていきます。俺はというと、結局研修中には見つけられず、船に乗り込んだ後、キャビンの中で初対面。「あっ、どうも」ってね。これはこれで、感動的。

キャビンメイトですが、もちろん男女は別で、国籍も年齢もバラバラ。そして、途中一度だけ「キャビンチェンジ」という、いわゆる“部屋替え”が行われ、キャビンメイトも総入れ替えになります。俺の場合は、前半がギリシャと日本、後半はオマーンとエジプトでした。自分で言うのもなんだけど、うちのキャビンは割と大人しい、穏やかな方だったと思います。みんな規則正しい生活を送っていて、一番早起きなのも、一番遅くまで起きていたのも、基本的に俺でした。(完全に、体力にモノを言わせた生活。「あの頃は若かった…」と、懐かしく思う今日この頃です。)

それにしても、キャビンメイトの存在はやはり大きい。ちょっとキャビンに戻ると、そこにいるわけで。バカな話から真面目な話まで、空き時間に弾丸トークを繰り広げたことも結構ありました。そんな個性的かつ魅力的なキャビンメイトたちを、少しずつ紹介していきたいと思います。

まずは「ギリシャの安西先生」こと、Michailから。

(続く)

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅