第36回:キャビンメイト(その2)

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ギリシャの安西先生こと、Michail。

まず、その体型。とりあえずデカイ(横に&厚みが)。100kgは余裕であるだろうし、下手したら120kgくらいありそう。でもここだけの話、足はそれなりに細い。相対的に細く見えるだけかもしれないけど、遠くからシルエットだけ見ると、長細めな逆三角形になっている。
彼のお腹は、俺専用のサンドバッグ。会う度にバシッと突きを入れてやるのだが、彼はニヤリと笑って「効かねーよ」と言って来る。ちょっと角度を変えて斜めにパンチを入れると、振動でお腹の肉が波打つ。それくらい分厚いプロテクターによって、彼は日々守られているのだ。

彼の趣味は、寝ること。朝も昼も夜も、キャビンで彼を見かけたときは、基本的に寝ていた。当然、早起きも苦手。ダブルダッチの早朝練習があるため、俺は毎朝7時に起きていたが、彼はまだ夢の中。練習を終え、シャワーを浴びにキャビンへ戻る。彼はまだ夢の中。朝食を食べて荷物を取りに部屋に戻ると、彼はまだ夢の中。時刻は8時40分。全員集合の朝礼は、8時45分。そろそろまずいと思い、部屋を出る直前に彼を叩き起こす。一発でムクリと起きてくれた日は、良い日。起きずにむにゃむにゃ言うだけの日は、良くない日。これが、一時期俺の中だけで勝手に流行っていた「Michailの寝起き占い」です。

そんな愛すべきマスコットキャラクターの彼ですが、実は非常に博識。ギリシャだけでなくEUの事情にも精通していて、空き時間に二回くらいキャビンで真剣議論したことがありました。教育、ビジネス、医療、交通などなど、どんな話を聞いてもいろんなデータや学説がポンポン出てきます。何度も「へぇ0」と唸らされながら、聞き入っていました。

ちなみに、Michail先生の職業はなんと「ナース」。メタボな人たちへのアドバイスとかもしているらしい。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅