第46回:スピード感とアンテナ(その2)

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 動き出しを早くするためには、自分の周囲に対して常に「アンテナ」を張り巡らし、物事への反応を速くしておく必要があります。ニュースをまめにチェックしたり、雑誌や本などで様々な分野の情報を仕入れたりするなど、積極的にインプットするよう心がけることも、その一つです。しかしこの事業で得たネットワークもまた、このアンテナという意味でも大きなプラスとなっているような気がします。

 この事業に参加した人達は皆「世界中に家族がいる」という表現をよく使いますが、家族がいるということは、もはやその国(=その国で起きる様々な出来事)が、「他人事」ではなくなることを意味します。大きな事件や事故があれば本当に心配になり、最近起きたエジプトでの市民活動やオーストラリアの洪水が、まさにそうでした。逆に何か嬉しいことがあると自分のことのように嬉しくなります。

 この事業は今年で23回目を迎えますが、歴代22回分の世界中のOB・OGたちが加入している、非常に大きなメーリングリストが存在します。これを使って世界中の情報や意見交換が日々行われ、旅行などでどこかの国を訪れる際にも、このメーリングリストに一言投稿すれば現地で歓迎会を開いてくれたり泊まる場所を提供してもらえたりします。なにより、まだあったこともない世界中の青年たち(OBたちの中にはもう「青年」ではないような歳の方もいますが…)との接点が持てるということは、なかなかないと思います。

 普段の何気ない生活や会話の中でも、知らず知らずのうちにアンテナが広がり敏感になっている。自分自身、そんな変化を最近はっきりと感じるようになりました。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅