第47回:オーストラリア(その1)

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 実はいま、オーストラリアに来ています。

 「世界青年の船」事業は毎年行われていますが、その航路は東回りと西回りが交互になっています。去年僕が参加したときは西回りで、寄港地はシンガポール・UAE(ドバイ)・インド。今年は東回りで、寄港地のひとつが、オーストラリアなのです。そもそも去年の参加国の中にもオーストラリアがいて、個人的にオーストラリアの参加青年たちとはすごく仲良くなりました。大学もちょうど春休みですし、寄港地活動の手伝いも兼ねて、仲間たちの家を転々としながら一ヶ月ほどオーストラリアをまわることに。

 最初の訪問地は、ブリスベン。今年の船の寄港地です。船が到着する前日に現地入りし、ボランティアスタッフのミーティングにも参加。オーストラリア人が14人、日本人はもちろん僕1人。オージーイングリッシュでの議論に混じるのはなかなか大変です。

 日本でもかなりニュースになりましたが、ブリスベンは大規模な洪水の被害にあいました。見た目はもうだいぶ復旧していますが、小学校や施設の閉鎖が相次いだため、寄港地活動として予定していたスケジュールは変更を余儀なくされました。

 その中で印象的だったのが、洪水をひとつの「チャンス」として捉え、街の整備や新たな施設作りが行われていたことです。ブリスベン市内の公園には大型のスクリーンが設置され、無料の映画上映会を開催。卓球台もあり、こちらも無料で使用可能。多くの市民が集まり、のんびりと過ごしていました。

 被害復旧のために政府から支給された資金を、ただ元通りにするのではなく、より居心地の良い場を作るために使う。「ピンチをチャンスに」とはこういうことなのかもしれません。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅