第49回:オーストラリア(その3)

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最後の滞在先は、メルボルン。

先週の記事(http://you2.jp/ao/fune_48.htm)ではシドニーが「世界の住みやすい都市ランキング」の上位に入っていることに触れましたが、このメルボルンは、2011年度のランキングでなんと世界第2位の座に輝いています。(ちなみに一位はカナダのバンクーバー。シドニーは7位。日本の都市では大阪が12位、東京が18位にランクインしています)

実際に数日間過ごしてみて、その住みやすさを実感しました。特筆すべきは、「自転車専用レーン」。やはり大都市だけあって車の交通量も多いのですが、市内の主要道路ほぼすべてに自転車専用のレーンが設けられており、安全かつ快適に自転車を利用することができます。そのため、自転車通勤や自転車通学も一般的。(朝の通勤時間帯には大量の自転車が一列になって走り抜けて行くので、何かの競技かと思うほど。)

ちょっと遠くのレストランにご飯を食べに行くときも、「自転車の方が気持ち良いから」と言って、家族みんなで走って行きます。食べる前に運動、食後にも運動という、なんとも健康的な生活。また、町中のいたる所に鉄のバーが設置されているので、チェーン型の鍵で自転車を固定することが可能。防犯対策もバッチリです。

個人的に目を引いたのが、自転車に乗っている人たちが皆「手信号」をきちんと使っていたこと。「手信号」と聞いて、皆さん何のことだかわかりますか?自転車に乗っていて右折するとき、右腕をまっすぐ体の横に伸ばすっていう、あれです。車でいう「ウインカー」です。日本ではやっている人をほとんど見かけませんよね。面倒くさいとか、ダサイとか、そんなイメージがあるように思います。

でもメルボルンでは、それを堂々と、皆がやっている。専用レーンという「環境」だけでなく、それを利用する人々の「意識の高さ」が、さらに街を住みやすくしているように感じました。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅