第431回:少しだけ良いことを書く

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さて、2018年も、あと数時間で終わり。最近、仕事が忙しくて、なかなか落ち着かなかったから、年末の実感もさほど沸いていないのだけれど。そもそも年末の実感って何かもよく分からないけれど、軽く今年はどんなことがあったっけと振り返ってみたりする。

何だか、遥か昔に思えるけど、僕は今年柔道を引退して、第二の人生を歩み出した。間違いなく今までの人生で一番大きな転機だ。普通のサラリーマンになって、今日でちょうど8か月、せっかくの機会だから、近況報告といこう。先に言っておくが、ちょっぴり良いことを、かなりカッコつけて書かせてもらう。

業界を離れ、久しぶりに会った柔道関係者には「なんの仕事してるの?」とよく聞かれる。あまり貢献はできていないけれど、今僕がやっている仕事は、新規事業やサービスを企画する事業開発関係と、投資家対応をするIR関係だ。まだまだ分からないことばかりで毎日が勉強だけど、一日も早く戦力になれるように駆け回っているところだ。

そして、柔道関係以外の人に自己紹介をすると「そんなに長い間一つのことをやってきたって凄いことだよ。柔道やっててよかった?」的なコメントと質問をよく頂く。これ、僕にとっては至極難しい質問だ。今のところどれだけ考えてみても「分からない」としか答えられない。誤魔化している訳ではなくて、本当に分からないのだ。

良くも悪くも、膨大な時間と労力を柔道に費やして、普通の人が経験するであろうたくさんのことをスル―したまま27歳になった。結局夢は叶わないまま、柔道とはほとんど関係ない仕事をしていて、柔道をやってて良かったのか、なんて分からない。

比較的長い時間をかけて、しばらく悩んで出した結論は、「これから次第」だ。要するに、競技を通じて得たものをこのセカンドキャリアで僕自身が活かせるかどうか、なのだ。どうなるにしろ僕に着いた柔道家のレッテルは一生剥がれない。良いことをすれば「流石柔道家」となり悪いことをすれば「所詮柔道家」になる。どうせなら流石と言われたい。そのためには、また頑張らなきゃいけない。全く違うフィールドだけど、いつか自分で「柔道をやっててよかった」と胸を張って言えるように。