第51回: えっうそでしょ…

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えっうそでしょ…え、え、ちょっと待てよ、どういうことだよ。本当にこの通りに言ってしまった。入学前からの友人で「これからの4年間一緒に頑張ろう!」と言っていた看護男子の一人が休学したのち自主退学をするというのだ。最初は、そう考えているだけだと思ったが、すでに休学の手続きを済ませ、半年後には退学するといきなり言われ正直なところ、こいつは何を言っているのか不明だった。退学するなら、休学する必要はないし、休学するなら退学する必要もないと思ったからだ。普通は誰もがそう考えると思う。しかも休学するには30万もかかる。これは相当な訳ありだなと思い。本当なら、実技の練習する時間を裂いて彼の話を聞いた。細かい内容を書くのはここでは伏せておくが、大学にはこんな考えを持った人がいるのかと驚いた。間違えなく私にはできない、いやほとんどの人間が無理な挑戦だと思う。それでも彼はその道を選択した。その勇気は本物だと思った。話を聞いた限りでは、リスクがあまりにも大きすぎる。絶対にやめたほうがいい。と思ったが私と彼では明らかに価値観が違いすぎていた。価値観が原因で破局してしまう意味も少なからず理解できるような気がした。ここまで価値観が違うと実感できるのは初めの体験だ。本当は止めたかったが遠くに行く訳でもないし、彼が決めた道をわざわざ邪魔する気にもなれない。ただ応援するしかない。これが私の考え出した返事であり、彼もそれを受け取ってくれたと思う。そしてその日を境に彼は学校に姿を見せなくなった。定期的には来るが、授業があるため、なかなか会うことができない。正直寂しい思いはあるが、きっと彼も寂しい思いをしているだろうと思う。彼には退学したことを後悔しないように夢に向かってほしい。諦めないでほしい。頑張ってほしい。たまに連絡がほしい。看護棟に遊びにきてほしい。他にも言いたいことは、たくさんあるが、もう伝わっていると思うし寂しさが増すと思ったから言わない。ただ俺も頑張らないといけない!と強く思った。

更新:2013-06-11
慶應義塾大学 看護医療学部 (2012年4月入学) 三浦高介