第144回:メキシコ学生駐在員便り~鶏肉屋~

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メキシコ学生駐在員便り~鶏肉屋~

メキシコの市場は本当に面白い。ありとあらゆるものが売られていて商売魂満ちあふれている。何も市場という場所でなくてもありあらゆる場所でのビジネスチャンスを見つけ出して勝手に商売をしている。地下鉄の入り口の階段、踊り場、道路の脇・・・。

メキシコの肉屋も場所によると思うが鶏肉屋と牛肉屋が分かれていたりしてまた面白い。鶏肉屋にいって鶏肉を買う光景を見ていたのが色々感じさせられた。日本だと綺麗な鶏肉のかたまりになってパックに入って売られている。その肉片からはあまり生き物である鳥そのものの姿を想像出来ないが、メキシコの鶏肉屋では鶏そのものからその場でお店の人がはさみでちょきちょきしたりして必要なサイズ、形に切り分けている。そんなわけで鶏の顔とか皮とか当たり前のように見られるし、生きていた姿を想像出来る。

当たり前だがあまり日頃肉を食べていてもそんなに鶏そのものの形を想像することは少ないし生命を頂いている意識は若干薄れてしまう。以前ニュースで魚の切り身が海を泳いでいると思っている子どもがいる話があったがまさにその話のような気がした。メキシコでそのようなことを感じると思わなかったがやはり食事は感謝して食べるものだと思った。

更新:2012-12-21
慶應義塾大学 法学部政治学科 井上貴史