第147回:北アフリカで働く侍たち

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北アフリカで働く侍たち

日揮のアルジェリアにある天然ガスプラントへのテロで10人もの日本人が亡くなった。海外の中でも砂漠の生活の困難な地域で懸命に働く日本人の姿には頭が上がらないし、こういう人たちこそ日本の良さを世界に発信し、外貨を稼いでくる日本人であるゆえにこのような人たちを失ったことは非常に悲しみが深い。

日本の若者が内向きだという話は聞き飽きるくらい聞いてきたがそれでも一定の割合の学生は海外に興味を持ち、海外の場で挑戦をしている。そのような中で起こった事件でありインパクトは大きい。私も就職活動の際に日揮株式会社はとても行きたい企業であった。過去にNHKのプロフェッショナル仕事の流儀で日揮の現場監督の特集があり、その動画を見たが本当に凄まじい所で一見全くコミュニケーション取れないような人たちを束ねてあの芸術的なプラントを作り上げて、その地域の産業に貢献している。残念ながら選考途中で夢叶わずの結果だったのだが、尊敬する企業として今でも思っている。

やはりこのような事件があると海外は物騒な所だとか、日本が一番とか思ってしまうのが普通の考え方なのだろうが、日本は外に出て行かなければならない状況に追いつめられている。海外のフロンティアに飛び出して、日本の技術を活かして外貨を獲得してくる人材、企業。このようなものが求められている。テロとの戦いに決してひるむことは許されないし、勇気を持って今後も海外の最前線で働く日本人は必要である。私自身もそのような存在でありたいと思っている。

それと同時に現在の混沌とした国際社会の中で日本が政府として外交や防衛レベルでこれまでとは違う、時代に即した変化を受け入れて柔軟に対応していくことが必要になってくる。大学で政治学を学んだ身として国際政治やアフリカなどの地域政治などを学んだことは今後のためにも凄く身になると感じている。商業などのように直接的に仕事に結びつかないけれでも今後グローバルな世界の中でビジネスをするにしろ何をするにしても政治に関する興味関心は大切にしていきたいと思った。

4月から働き始めるこの2013年1月に起きたこの事件のことを忘れずに胸に刻んで働いていきたいと思う。

更新:2013-01-25
慶應義塾大学 法学部政治学科 井上貴史