第56回:環境問題に関して
バレンタインデーがやってこようとしていますね。私が勤めているスターバックスでもバレンタインデーモードが始まりました。
悲しい季節です。はい!今回から数回にわたって。武田邦彦さんの「偽善エコロジー」という本をもとに、環境問題についてお話しようと思います。
武田さんは現在、内閣府原子力安全委員会専門委員、文部科学省科学審議会専門委員を務められており、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか1,2」という本で最近世を騒がせました。彼の考えを大雑把に言うと、環境によいと言われてとられているアクションの多くが実際は環境を害している、あるいはあまり意味がないことが多く、逆に官僚や自治体の利権につながっているというもの。彼に対しては異論反論を唱える人もいますが、客観的に見て武田さんの方が正しいのかもしれないな、というのが私の意見です。
環境問題に対してはここSFCでも色々な研究&アクションがなされており、総合政策学部が必要である理由、「現在の諸問題は一つの学問分野だけでは解決不可能である」ということが語られる時にもよく取り上げられたものであるために、無視できないものであります。 SFCのAOを目指す受験生の中でも環境問題はホットなテーマですので、是非参考にしてみてください。
ただ、私は環境問題の専門家ではないので、武田さんの意見も、後にお話しする浜中研究会のことも、本やウェブ上でしか知識が確認できていません。あくまでも今回の記事は「こういった見方もある」ということを知って、実際にアクションを起こす時には、さらなる調査が必要なのだということの一指標にしてください。
まず初めに「レジ袋削減は本当にエコなのか?」についてお話します。 現在スーパーやコンビニなど、いたるところでレジ袋削減が叫ばれています。店員さんは「レジ袋いりますか?」と聞けず、お客さんは「レジ袋いりません」と言えず、でも言えたら「言えた!」なんていうコマーシャルを見た人もいるのではないでしょうか?その影響か、私の周りでも「レジ袋いりません」と格好よく店員さんに言う人もでてきていますし、ここSFCでも浜中研究会のプロジェクトによりが学生生協でのレジ袋が有料化されました(有料化されたことによりほとんどの学生が袋を使わず、手持ちで購入したものを運んでいます)。
浜中さんのプロジェクトは色々な賞を受賞したようですが、武田さんは「レジ袋削減は意味がない、あるいはむしろ石油を消費している」と言います。「レジ袋削減によって石油の消費量が減る」と安易に話す時の「石油」とは、あたかも一種類しかないように思えます。が、石油にもたくさんの成分があり、レジ袋などに使われているものは、もともと使わずに燃やしていた「あまった部分」であるそうです。
レジ袋削減運動と並行して企業や自治体、そしてこのSFCでも行われる、行われたのがマイバック運動。「マイバックもってこい」なら分かるのですが、たいていの場合「エコバック」が販売されています。先ほど述べたようにレジ袋が「あまった部分によってつくられているのに対し、そういったバックに使われているものは「足りないことがあってもあまることがない成分」であり、逆に環境破壊しているものが多くあります。
さらに言うと、レジ袋削減運動の流れでつくられたエコバックの多くはデザイン的に良くないものが多く、誰も買わない&現在持っている人を見たことがないのが現状です。ボランティア精神、“やってあげている”という感覚でものごとを行うと、そういったデザインの部分で手を抜いてしまうことが多々あり、例えば、貧困地域に援助する時の衣類等の物資は、「着られれば良い」などといった発想で着る人のことを全く考えていないケースがみられます。
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