第82回:合格者が減った理由とは?

私の時には20名ほどいた9月入試でのAO入試総合政策学部1次合格者も、今回は9名という少なさにおさまりました。ただ、今回だけではなく、今年度のAO入試は4月入試からかなり厳しい結果であったように感じます。 

私の運営する掲示板( http://sfc-ao.8.bbs.fc2.com/ )にその原因は何か?という受験生からの投稿がありましたので、今回その原因を考えてみようと思います。ただあくまで私は審査官側の情報を得ているわけではないので、推測でモノを言っていること、ご了承ください。

・AO生が大したことなかった。 

SFCのAO合格者といっても、全ての人が華やかな実績があるわけではなく、ちょっとしたボランティアやある程度のスポーツ大会の成績で受かった人も存在します。そういった人はおそらくSFCでやりたいことのビジョンがしっかりしていたことや、面接官へのウケがよかった、面接官が優しかったということで合格を勝ちとったのかと思われますが、一般入試での合格者に努力の面で勝っているかというとそうではありません(そういった人をとるべきかどうかということは私には判断できません)。

おそらくこれまではある程度決められた人数にあわせて、合格者をとっていたのを本当に獲得したい人だけとることにしようと、SFCのAO入試委員会が判断したことが考えられます。確かに、AO合格者は一貫して一般入試合格者よりも成績が良く、塾長賞の受賞者も多い結果が調査により出ています。しかしながら、ある意味大学の成績など悪い方が、賢いやり方ともとらえられますし、塾長賞の受賞者を見てみると、高校時代から華々しい実績や成果を出している人が獲得しているように思えます。

・AO推奨派の弱まり。 

確かに今回合格者は減らされていますが、教授の中にはAO入試による合格者を増やそうという人もいます。そういった人と、AOでの合格者を減らそうという人とのせめぎ合いの中で合格者数を決めているのでしょうが、近年、AO入試での合格者を増やしていこうという人が少なくなったのかもしれません。

・何かしらの基準を設けた。 

AO生がそもそも大したことなかったというのにつながるのかもしれませんが、実績や評定平均など、何かあるいは複数あわせて、基準を設け、ある程度客観的にこれまでの実績が満たないものは1次の段階でそぎ落としている可能性もあります。

AO入試はかなりの手間がかかり、教授にとっても大きな負担となっています。最近の不況もあわせて、コストダウンも兼ねた、機械的な不合格者の決定が行われている可能性もあります。

・みんな残るようになった。 

AO入試はその異質性により、なかなかどういったものか理解しづらく、そのため一般入試よりも普及しづらいものとなっています。慶應の調査によるとAO入試の認知経路は「友人・知人」が多く、一般入試よりもパンフレット等からの情報が少なくなっており、そのことも、AO入試が受験しにくい入試であることがうかがえます。

また、私のインタビューによると、パンフレットなどの情報から認知した人は主に「一般でもいくがチャンスを増やすため」という人が多いのですが、予備校や学校の先生に勧められてという人は「AOでしか受からないから」という人が多くみられます。当初予備校による対策が本格化しておらず、AO入試があまり普及していない状況においては、「一般でもいくがチャンスを増やすため」という人が多かったけれども、近年予備校による対策が本格化し、勧められて受験する人が多くなると「AOでしか受からない」という人が増えたことが予想されます。すると、今までよりも合格後に他大学を受けずSFCに残る人が増え、合格者の人数を減らした方が定員的に丁度よくなったのかもしれません。 

以上です。正直に言えば、はっきりとした原因は分かりません。ただ、AO入試の受験者の増加もあいまって、今までより受かりづらくなっているのは事実ですので、ある程度「覚悟」をした受験を行うようにしてください。


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