第168回:石巻で感じた事~場所ごとに違う被害・復興~

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私は、昨年の4月、6月、11月に南三陸、8月に福島の会津若松、そして今回8月に石巻を訪れました。

いつも感じるのは、地域によって被害が違うこと、そして復興の仕方も違うこと。

ニュースで報じられるのは「被災地」という大枠ですが、実際行ってみると違います。

例えば、今回石巻に行って感じたことは、近くにある石巻と南三陸でも被害状況は違う、ということです。

南三陸は、津波が来たところの建物はすべてが流され、何もなくなっています。
でも、石巻は、建物の一部が残っていたり、前にあった状態がわかるのです。

(上が南三陸、下が石巻の大川小学校)
この違いは、津波の高さが違うためだそうです。

石巻で大川小学校を見て、少しだけ残ってしまっていることを、前のことを思い出してしまうため、それはそれで残された方々は辛いだろうなあ、と思ってしまいました。

波の勢いや高さ、地形によって被害の様子も変わってしまうのですね。
そんなことは当たり前なのかもしれませんが、実感しました。

そして、復興の様子も様々です。

南三陸や石巻は、「復興させよう」という思いが強く、津波で流されてしまった場所にもスーパーなどができ、生活ができるようになってきています。

ですが、福島はどうでしょうか。
会津若松で大熊町や楢葉町の方々にお会いしましたが、「帰れる家がない」「これからどうしていけばいいのかわからない」という声を聞きました。

宮城と福島の人では、復興の様子が違うのが現状です。

福島の方が言っていた言葉で印象的な言葉があります。
それは、「福島以外の人は、直せる場所がある。でも私たちは直せる場所もないんだよ。居場所がない。」という言葉です。

私には考えられない辛さがそこにはあるのだと思います。

5回目の被災地は、こんなことを感じました。
これからも継続して東北へ行き、自分の目で見て、感じて、私にできることを考えようと思います。

更新:2012-08-20
慶應義塾大学 総合政策学部 山本 峰華