第53回:インドでの日々(2)

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今回は、インドで知った、インドの現実についてお話ししたいと思います。

私がニランジャナスクール過ごしているとき、村をマフィアが襲うという事件が多く起きた。

ニランジャナスクールのあるスジャータ村から20kmほど離れた村々で、マフィアが女性や子どもたちを容赦なく襲った。
夜には、男性たちのマフィアに対する警戒の「オー」という声が響いた。

インドでは、政治汚職が多くあり、汚職をしている政治家たちが、貧しい人々をマフィアとして雇っている。。
そして彼らに「村を襲え」などと指示をするという。。
貧しい人達が教育を受けるということも嫌い、そのような支援をしている人を殺したりもしているそうだ。。
選挙のため、自分がずっと高い位置にいられるように、容赦なく村を襲う。

この現状に、私は愕然とした。そしてこの現状は、変えられないとシッタルタさんは言う。。
インドの政治の中では、当たり前のこととなってしまっているからだ。。

マフィアの人たち自身も、襲いたいから襲っているのではない。。
貧しいからお金を稼ぐためなのだ。

悪いサークルがインドにはある。。
これから発展していくと言われるインド。。
もちろんデリーなど発展しているところは凄まじい発展をしている。。
でも貧しい州はまだまだ貧しい。

この格差はこれからどうなってくるんだろう。

旅の間、何度もこのことを考えた。。
このままだとこの格差は縮まらないと私は思う。。
カースト制度のなごりか、上の層の人々は、下の層の人々のことを気にしない。。
上の層の人々がインドに住む人々全体の事を気にして、皆の状況が少しでも良くなればと思う。

私がスジャータ村を去った二日後、スジャータ村の近くで、マフィアが夜行列車の線路に爆弾を置き、テロを起こした。。
幸い、列車が直前で急停車し、線路が壊れただけで終わった。

でも、もし列車が止まっていなかったら…。
そう考えると恐ろしい。

村々に男性たちの「オー」という警戒の声が響かない日々が来る事を祈っている。

慶應義塾大学 総合政策学部 山本 峰華