第2回:「志望者評価書」(後編)

さて、志望者評価書の後編です!今回は、私自身の評価書を例に挙げながら解説していきたいと思います。

前回ちょっと堅めになってしまったので、今回はゆるーくいきます!(笑)

 

長い付き合い

私は中高6年間、空手道部に所属していました。中高一貫の学校・部活だったので、顧問の先生には6年間お世話になったわけです。

練習は厳しかったですが、私が居残り練習をするときも付き合ってくれる熱心な先生でした。もしかしたら、親よりも私のことをよく知っているかもしれません(笑)「顧問と部員」という関係では表せないくらい、部活以外でも親しくさせていただきました。本当の意味で「恩師」だと思います。

人間って不思議なもので、必ずしも長く付き合っていれば相手のことがよくわかる、っていうわけじゃないんですよね。スポーツの練習、勉強…なんでもそうだと思うけど、人間関係において大事なのは、「密度」です。評価書は、自分と関係の「濃い」人にお願いするといいでしょう。

 

評価書をお願いするにあたって

第1回で挙げたポイントを抑えていれば、基本的には問題ありません。

何か評価してもらいたい実績などがあったら、その点を明確に伝えておきましょう。あとは、「どうしても合格したい」という気持ちを伝えておくことです。

どんな分野でも同じですが、「やる気がある人」に対しては、教える側も「頑張って教えよう!」という気持ちになります。「良い評価書を書いてあげたい!」と思わせるような態度・人柄を、普段から心がけておくことが重要です。

 

こんな感じ

参考までに、私の評価書(顧問の先生に書いていただいたもの)を以下に載せておきます。ただ当たり前ですが、AO入試は人の真似をしても受かりません。あくまでも「参考」にしてください。

4.選考に当って有用と思われる志願者の学力・人柄についてあなたの意見を書いてください。

⇒常に周囲への気配りを忘れず、思いやりを持って接することができる。他と協調しながらも、自分の意見をしっかりと持ち、邪心なことには流されない強さを持っている。心技体のバランスがとれており、礼儀正しい好人物である。学力面ではどの教科も万遍なく学習しており、学内での評価も高い。疑問点を納得するまで追究し、多角的に物事を考えることのできる柔軟な思考の持ち主である。所属する空手道部では、3年次に主将として部をまとめ、関東大会にも出場した。コツコツと練習をする姿は、多くの部員から慕われ、尊敬されている。物事を倫理的に考えることができ、自らを向上させる努力をおしまない、常に前向きな人物である。」

5.志願者が志望学部にふさわしい人物かどうかあなたの総合的な判断を下欄に示しその理由を書いてください。

⇒志願者は、机上の学習だけに留まらず、全ての勉強において学ぶということを受動的に教わるものではなく、主体的に自らを向上させる姿勢が常にある。少年時より始めた空手道を、小学・中学・高校と違う競技に進むことなく、12年間継続している。これは楽なこと、好きなことだけを好んで過ごしていく傾向にある現代の中で、武道という厳しいことを続けていける粘り強い精神力を持っている証しである。練習に関しては、指導者を信頼し、自らの実力を客観的に判断でき、何が足りないのかを分析して、綿密に計画を立てて、練習を実践していく力を持っている。このスタイルは学習姿勢にも通じるものがあり、自らが納得するまで、本質的な質問を担当教員にぶつけている姿を何度となく見ることができた。与えられた課題をただ解決するだけでなく、自らも課題を発掘し、広い視野で的確に結論を出していく力も兼ね備えている。これらを含め、彼が持つ意欲的で粘り強い姿勢こそが、貴校の求める「未来社会の先導者」に限りなく近い生徒であると考える。」

 

☆まとめ☆


(1)「親よりも自分のことをよく知っている人」が理想。

(2)合格したいという熱意を伝える。

(3)うまい表現よりも、論理的な流れ。

良い所も悪い所も知っている。それが「濃い」人間関係。

慶應義塾大学SFC 環境情報学部1年
水谷晃毅

 

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