第3回:「調査書」

今回は調査書です。自分で書くことができない、学校によってはその内容も知ることができない、「公的な書類」。

でも自分の出願書類なんだから、一応最低限は知っておきたい。ってことで、頑張りましょう!

 

調査書の内容

・全科目全学年分の評定一覧
・科目別評定平均値
・全体の評定平均値
・部活動、委員会、生徒会などの活動実績
・出席日数
・コメント

など。

 

評定

まず注意しなければならないのが、科目別の評定が載っているということ。

一般に「評定平均」と言うと、3年間全科目の評定を足して割ったものを指すが、調査書には全科目・全学年分の評定も記載されている。3年間分の通知表がまとめられているようなものだから、「何年生の何の科目が悪いのか」などもはっきりわかる。

当然だが、あまりに悪いものがあると突っ込まれる可能性があるので、弁解・説明できるようにしておこう。

 

活動実績

「活動実績」と言っても、ここでは担った役割・役職のこと。

クラス内でのなんとか係だったり、なんとか委員だったり、所属した部活名だったり…。学校によっては活動内容について細かく書かれることもあるようだが、基本的には役職や部活の「名前」だけ記載されることが多い。

 

出席日数

指定校推薦を利用する場合には必ず問われるものだが、AO入試でもある程度は見られていると思う。多少の欠席はやむを得ないし、むしろ当たり前のことだからそんなに気にする必要はない。

だが日数が多少ではなくなると、大学側としても何かしら思うところはあるだろう。まぁ、できるだけ休まない方が無難ってことだ。

 

コメント

毎学期の通知表に書かれるコメントと同じような要領で書かれる。

勉強・部活・人間関係などすべてをふまえ、普段の学校生活の様子についてコメントされる。志願者評価書に近いものと言えるだろう。

 

対策

一番の対策は、日頃から頑張っていい成績を取っておくこと(笑)でもこの連載を読んでいる受験生たちからすれば、そんなの「いまさら」って感じなんだよね。

それならどうするかって言うと、自分の現状を把握しておく。3年間分の通知表から、科目別評定平均、全体の評定平均を算出しておこう。コメント欄や役職もさりげなくチェックしておく。それだけで、いざ面接で聞かれた時に慌てずに済む。

冒頭で書いたように、自分でいじることは一切できない「公的な書類」。でもこの書類は、1次試験ではもちろん、2次試験でも面接官の手元に置かれることになる。AO入試ってあまり成績(評定)は関係ないっていうイメージがあるだろうし、実際そうかもしれない。B方式では4.5以上っていうラインがあるけど、A方式では評定がかなり悪い人も普通に合格するし。そんな気にしなくていい、って思うかもしれない。

でも、それは評定が関係ないわけじゃなくて、あくまでAO入試が「消去法の試験ではない」っていうだけ。一般入試は普通に筆記試験受けて点数取って、その点数が高い人は受かって、低い人は落ちる。1つでも点数が低い科目があったら、そのまま合否にひびくよね。

その点AO入試は、「これができない」って見るんじゃなくって、「これができる」っていう見方をする。「評定は低いけど、こういう実績がある」とか、「考え方・発想力が優れている」とか…。基本的に、「優れているところ」を見る試験と言える。一般入試でも得意科目で苦手科目を補ったりするけど、AOの場合は「得意科目の配点が高くなる」っていう感じかな。

とは言っても、ただの「一芸入試」ではないのがAO入試。できることなら最低限の成績は取っておこう。

 

☆まとめ☆


(1)自分の現状(成績、出席日数)を把握しておく

(2)調査書=面接の材料、ということを忘れずに。

知らないよりは知っている方がいい。敵のことも、己のことも。

慶應義塾大学SFC 環境情報学部1年
水谷晃毅

 

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