第92回:「迎える」という気持ち
1月18日、今年の「世界青年の船」事業に参加する各国代表青年たちが来日しました。一番遠いのは、たぶんペルー(ベネズエラとブラジルも同じくらいかな…?)。飛行機もロサンゼルス乗り換えで、全部合わせると日本まで丸一日以上かかったらしい。他にもスペインやトルコなど、時差の影響を強く受ける国々は、皆とても眠そうにしていました。
そんな彼らも、表情はやっぱりワクワクしていて、興奮を隠しきれないようです。はるばるやってきた日本で、これから13カ国の若者たちと出会い、一緒に大きな船に乗って、一ヶ月間の旅に出る。インド、スリランカ、シンガポールを訪れ、そこでも多くの人々と触れ合う。どんな日々が待っているのか、いまはまだ全然想像がつかないだろうけど、だからこそこのプログラムは面白いのです。
参加青年たちへのブリーフィングを担当した際、冒頭の自己紹介で「実は自分も2年前の参加者で…」という風に伝えると、大きな歓声を浴びました。OBというだけで、初対面でも身近に感じ、受け入れてもらえる。こんなに嬉しいことはありません。
2年前は彼らと同じ参加者として、同じようにワクワクしていた自分が、今日は受け入れる側のスタッフとして、スーツを着てホテルのロビーに立っていました。人生って、本当にわからないものです。2年前は、自分がこんな風になるなんて思ってもいませんでした。どこか「お客さま」気分で参加していたと思うし、裏方として支えてくれている人たちのことを気にする余裕もなく、ホスト国として「迎える」という気持ちも薄かった。日本代表としての自覚が足りなかったかなと、いまになって反省することがたくさんあります。
今回はスタッフとして関わるのですが、ひとりの日本人として「迎える」という気持ちをしっかりと持って、青年たちが思う存分楽しめるよう、12日間、陰ながらサポートしていきたいと思います。
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅