第90回:北海道で年越し(その1)
年末年始はいつも実家でのんびりしているのですが、今年は「世界青年の船」の仲間数人と、北海道で年を越しました。仲間のひとりが北海道大学のロースクールに通っており、その人に会いたいがために、この半端なく寒い時期に北上したのです。会いたくて会いたくて震えているのか、それともただの寒さからくる震えなのか。ユニクロの暖かいダウンジャケットではなく、普通のピーコートを着て北の大地を訪れた勇者(自分)は、当然のことながら、いつも震えていました。
男5人水いらず、北の大地で迎える新年。この響きだけでも、十分すぎるくらいワクワクします。旅行は計画しているときが一番楽しい、なんて言いますが、本当にその通りで、スケジュールができあがったときは何ものにもかえがたい達成感と高揚感を味わいました。
北海道といえば、旭山動物園。普段動物園なんて行かない自分も、一時期メディアなどでも騒がれていたこともあり、興味があったのです。札幌から旭川は結構離れているのですが、せっかく北海道に行くのだし、ここは奮発して足を伸ばしてみることに。旭川で年越し、元旦に旭山動物園という、黄金プランです。
意気揚々と飛行機に乗り込み、悪天候による「条件つきフライト」でヒヤヒヤしながらも、無事千歳空港に到着。しかし、そこに友人から一本の電話が。
「旭山動物園、休みらしい…」
衝撃の事実、発覚。事前にネットで調べてくれた友人は「開いている」と言っていたのですが、年末年始は休業だそうです。よくよく考えてみれば(というか常識的に考えて)、元旦に動物園が開いているわけがないのです。事前調査を担当した友人(※彼は急用で来れなくなった)にメールで告げると、「なに!ちくしょー!!」という返事がかえってきました。いやいや、ちくしょーじゃねえよ(笑)
こうして、旭川に来た意味をあっさり失ってしまった男たちは、ただただ呆然とするしかありませんでした。
(つづく)
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅