第96回:スリランカ滞在記(その2)

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スリランカでは、友人が港の近くにマンションの一室を用意してくれました。どうやら外国人富裕層向けの短期滞在用マンションらしく、かなり綺麗で、守衛さんもいるため警備も万全。3LDK、バスルームも3つ。ここに日本人5人とギリシャ人、オマーン人の計7人で、一週間の共同生活。まさに「世界船シェアハウス」です。朝起きればそこには個性豊かな仲間がいて、みんなでご飯を食べ、テレビを観たり談笑したり。音楽をかけて踊ったり、ぎゃーぎゃー議論したり。船の上での生活が、蘇ってきます。社会人になったらシェアハウスするのも楽しそう。実際、都内でシェアハウスをしている友人もいるし。(彼の話によると、ベッドは置かずにそれぞれ布団を持ち運んで好きなところで寝るという、「フリーアドレス制」を導入しているらしい。斬新…。)

2月16日、港で船をお出迎え。1月末に船が横浜大桟橋から出航する際にも、港で手を振って涙を流しながら(いや、涙は必死にこらえて)見送っていたのですが、それから半月後にスリランカで同じ船を迎えるという、事前に企画していたとはいえ、なんだか不思議な気分です。港には僕たち以外にも、スリランカ人のOB・OGたちが30人ほど、そしてたくさんの報道陣、政府関係者の姿がありました。そういえば、自分の代にインドやドバイを訪れたときも、テレビカメラが来ていてビックリしたっけ。自分たちが思っていた以上に、「国の代表」として扱われるのです。ほかにも、伝統舞踊のパフォーマーや鼓笛隊までいて、港はさながらパレード状態でした。

2月17日。船上でのディスカッションコースごとに分かれて、課題別視察。OB・OGチームもずうずうしく便乗させてもらうことになり、自分は「情報メディアコース」へ。スリランカの国営放送局(日本でいうNHK)を訪問しました。生放送中のスタジオを見学したり、なんと自分たちも生放送に出演してしまったり(どうやら特別番組?が組まれていたみたい…)、日本ではなかなかできない貴重な経験をすることができました。ちなみに、放送用機材の多くが日本のODA(政府開発援助)によって提供されており、日の丸のステッカーが貼られている機材もちらほら。一連の熱烈な歓迎ぶりは、そうした関係性から生まれた親日感情も少なからず影響しているのかもしれません。

更新:2012-03-02
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅