第59回:今度は韓国へ(その2)

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以前の連載で、カナダに少しだけ留学した(留学させてもらった)ことがあるという話を書きました( http://you2.jp/ao/fune_11.htm )が、そのときのクラスメイトの中に韓国人が二人いました。二人とも留学する必要がないくらい英語がうまく、「同じアジアの国なのに、なぜ彼らはこんなに流暢に喋れるんだろう…?」と羨ましく思ったものです。一般的にも韓国人の方が日本人より英語力が高いと言われているようですし、当時は個人的にもそう感じました。(近年では、両者にそれほど差はなく、五十歩百歩だという主張も多くなってきているようですが。)

調べてみると、どうやら韓国と日本では英語教育に対する考え方がかなり異なるようです。いま現在もそうなのかはわかりませんが、少し前まで日本の英語教育はカリキュラムや指導要領で「国際理解」を目標として掲げていました。それに対し韓国の場合は、「自国の発展・発信」を目標としています。人づてに聞いた話ですが、この違いは日韓の教科書によくあらわれていると言われ、日本の英語用教科書は欧米の話やスピーチが多いのに対し、韓国は儒教倫理といった自国の文化・歴史を扱ったものが多いそうです。将来的に自国のことを語れるように、という狙いがあるのでしょうか。

もう一点、韓国の英語教育の特徴として「留学に対する意識」が挙げられます。韓国では、欧米以上にフィリピンへの留学が人気らしく、欧米に比べればはるかに格安なうえ、みっちりと英語を学ぶことができます。日本でも「レアジョブ」というフィリピン人を講師としたオンライン英会話ビジネスが登場し、大手企業が研修に利用する等、近年注目が高まっています。その点にいち早く気付き、行動に移していたところに、韓国人の凄さを感じました。

そうした意味でも、今度のフォーラムはかなりハイレベルな議論になりそうな気がしており、かなり不安なので、こうなったら英語力以外を磨いておこうと、少女時代の「Gee」をこっそり練習している今日この頃です。

更新:2011/05/21
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅