第308回:逗子映画祭

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GW真っ盛りの5月1日、パーク24柔道部の同期一人と、ふたりの共通の友達との計4人で、逗子へ行った。お目当ては逗子映画祭なるものである。

 

これに行ってみようと言い出したのはその共通の友達2人。聞くと、逗子映画祭とは夜のビーチに大きなスクリーンを設置してみんなで懐かしい映画を鑑賞するという世にもオシャレなイベントらしい。その日上映されるのは“Stand by Me”。なるほど、休日の過ごし方としては悪くない提案だ。他にすることもなかったし、天気もいい感じだったし、ドライブがてら行ってみるか、と僕らも重い腰を上げた。

 

しかしこの我々の幸せな休日計画は、目黒を出発して15分で早くも崩れた。スマホで現地の様子を調べていた一人がチケット完売の情報を入手したのだ。大きな誤算。ちょうど玉川入口から第三京浜に乗る寸前での発覚で、思いっきり肩透かしを食らった感覚。しかしこのまま帰るのも面白くないし、せっかくだから様子を見に行こうと計画通りに車を走らせた。

ついこの間まで住んでいた横浜を懐かしみつつ過ぎ、江の島方面から逗子に向かう海岸沿いの道は、少し渋滞気味。出発時に明るかった空はもう暗く、窓全開で海を感じながら、カーステレオでそれぞれの聞きたい曲を順番に流し時間を潰す。なかなかみんな音楽の趣味が合わず、たまに掛かる雑音のようなやかましい歌に心の耳を塞ぎながらタラタラ進んでいるうちに、突然パッと明るく光る砂浜が目に入った。そこが映画祭会場だ。道路からでも少し見えるスクリーンを超えると、車の流れはスムーズになる。おそらく渋滞は映画祭の脇見によるものだったのだろう。

意外にも空いていた最寄りの駐車場に車を停め、会場入り口まで行ってみる。万が一チケットが余っていたりしたら・・・なんて甘い期待を胸にしていた我々だが、もちろんそんなことはない。それどころか受付のお姉さんの話によると、チケットは当日販売のみで、連日昼頃には完売するとのこと。どうやら我々はゴールデンウィークを舐めていたようだ。

 

会場はアメリカ映画に出てくる小さな移動式のサーカスのよう。オレンジ色のライトの中にいくつも出店のテントが張られていて、少し不気味でワクワクするような雰囲気。そのテントたちの一番奥に大きなスクリーンが設置されていて、少年たちが秘密基地で冒険の計画を立てていた。

 

確かにオシャレで楽しそうなイベントだけども、昼頃逗子入りしてチケットを手に入れた後、夜まで時間を潰さなくてはならないことを考えると、来年また来ようとはなかなか思えない。とりあえず今回は、ドライブとして楽しんだから、それはそれで良いのだけれど。まぁいつか何かのご縁があって、行けたらいいな。