第322回:オリンピック観戦会
今月開幕したリオオリンピック、柔道競技は大会初日から7日まで、1日に1階級づつ試合が行われた。我がパーク24柔道部からは初日60㎏級の高藤直寿と2日目66㎏級の海老沼匡先輩が出場した。それに伴って、現地に応援に行くことの出来ない会社関係者向けのパブリック・ビューイングが有楽町本社にて開催された。もちろん我々柔道部員も応援とイベントのお手伝いのため2日間有楽町に通った。
皆さんご存知のことと思うが、リオは地球の反対側、東京との時差はちょうど12時間である。向うでは確かに柔道の試合として納得の時間帯ではあるが、こっちとしては、予選ラウンド深夜22時から25時頃まで、決勝ラウンドは朝3時半から6時頃までとなる。初日こそ7日の日曜日の朝までだが、2日目は月曜日の朝に終わる日程だ。いずれにせよ簡単に足を運べる時間帯ではない。果たして一般社員の方々は見に来てくれるだろうかと心配したが、いざ蓋を開けてみれば2日ともほぼ満員の大盛り上がり。普段会社に行かない僕にとって、一般社員の方々と長時間一緒に居ること自体初めてだったが、柔道部への理解と支援に改めて感動した。今の僕の柔道はオリンピックに比べて小さい舞台での活動だが、一つ一つ自分に出来る精いっぱいの努力をしていかなきゃいけないと思った。
結果、2人とも銅メダルを獲得した。金メダルを獲るために積み重ねてきた努力や犠牲を、少なからず目の当たりにしている我々には、その無念さがひしひしと伝わり、とても悲しい結果となった。他人の試合でこれほど気持ちが落ち込んだのは初めてだ。金メダルへの道が潰えた時、まるで時が停まったかのようにしばらく誰も言葉を発することが出来なかった。
僕は今25歳。物心がついて、リアルタイムで観られた最初のオリンピックは2000年のシドニー大会だ。それからアテネ、北京、ロンドンときて今年のリオまで5大会、段々と身近な人が出場するようになった。その分、オリンピックで金メダルを獲ることの難しさが分かってくる。良い意味でも悪い意味でも、あの舞台では何が起こるか分からない。こうやって文章にしてしまうと、誰でも言えそうな感想になってしまうけど、オリンピックってやっぱりスゴいんだ。
帰ってきた選手に「銅メダルおめでとうございます」なんてとても言えない。「また次頑張って下さい」も無理だ。かける言葉が見つからない。ただ同じチームメイトとしてわがままを言わせてもらうなら、次の目標が何であれ、ひた向きに頑張る背中をもう一度見せて欲しい。