第370回:減量

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今月末26・27日、尼崎で全日本実業団個人戦がある。残念ながら近頃あまり大きな個人戦に出られていない僕にとって、およそ10か月ぶり、去年の講道館杯ぶりの、体重を調整して臨む大会である。

試合の一か月前くらい、ぼちぼち体重のことを気にし始める頃、今回は、ちゃんと“減量”しようと決めた。“ダイエット”ではなく、“減量”である。つまり、ある程度の期間をかけ、ゆっくり健康的に体重を落としていくのではなく、出来るだけ短期間で一気に体重を落とすのである。その理由は「一日でちゃんとリバウンドするため」。不健康極まりないが、これが減量である。

 

今の柔道公式戦の本計量は、試合の前日夕方頃に行われる。よって、試合当日にそれぞれの階級通りの体重でいる必要はない。ただし、当日までの体重のリバウンドは5%までと定められている。当日、試合の1・2時間前にもう一度軽量が行われ、各階級の105%以上の体重だと失格になるのだ。ただし、この当日の計量はトーナメントからランダムで数人が指名されるだけで、全員が測定される訳ではない。自分は指名されないとヤマを張って、気にせず暴飲暴食するか、いちおう気を付けながら適度な食事に抑えるか、個人の考え方次第だ。

この話を聞くと一般の人は「そもそも、せいぜい10数時間で5%も体重が増えるものなの?」と思うだろう。もちろん選手によって差はあるが、軽量級の方はほぼ間違いなく増える。60㎏級の選手が、当日には67~8㎏になっているという話はザラだ。81㎏級や90㎏級あたりの中量級だと、だいたい5%ちょうどくらいリバウンドすると聞く。100㎏級になると、5%以上リバウンドするという話はあまり聞かないのがだいたいの雰囲気だ。

 

さて、肝心の僕は今100㎏級だから、本計量時には100㎏以下、試合当日には105㎏以下ならばいいわけだ。だから問題は、一気に5kgリバウンドできるか、である。普段から105㎏くらいの僕が、ダイエットで健康的に痩せてしまうと、そこから一気に5kg太るのは難しい。せいぜい1~2㎏だ。それではやはりもったいない。「だからやっぱり短期間の不健康な減量だ!」と考えたのだ。

現在、試合一週間前の日曜日、食べ治めとしてしゃぶしゃぶ食べ放題に行ってきた。体重場105.6㎏。土曜日の計量までの6日で5.6kg落とす。一週間、ちょっと元気がなくなるかもしれないけど、察してください。頑張ります。