第387回:ROUTE139の旅
パーク24は12月28日で年内の営業を終え、休暇に入った。年明けは5日から出社&練習が始まる。
年末の休暇は僕の周りの友達たちもみんな遠い実家の方に帰ってしまうから、比較的暇な休みになる。そんな暇を持て余して、休暇一日目の夜は相方と奥多摩の方に星を観に行った。
今まで、星が良く見える田舎に行ったことはあるけれど、星を見るために田舎に行ったことはない。初めての試みである。最初は奥多摩湖の奥にある月夜見山を目指した。いつもの帰省と同様八王子インターで中央道を降り、青梅の実家の辺りを通り過ぎて山道を進む。実家からは近いけど、奥多摩湖より奥へ自ら運転して行くのは初挑戦だ。どんな山道が続いているのか、と少し不安だったものの、予想以上に綺麗な道路で快適な夜のドライブになった。しかし月夜見山へと続く奥多摩湖周遊道路はこの時期夜間通行止めらしくバリケードで閉鎖。仕方なく我々は山梨の方にある深城ダムを目指した。奥多摩湖より先には、他に走っている車もほとんどなく、民家もなく、当然歩いている人もなく、ちょっとした異世界に迷い込んでしまったような気分になった。山一つまるまるくぐるような長いトンネルは、今まで経験したことのないくらい真っ直ぐに長く、近未来映画のタイムトンネルを走っているようだった。
結局、深城ダム展望台へと続く道も封鎖されていて、仕方なく近くの公園に車を停めた。もちろん周りに何の人口光もない山の狭間だ。万が一こんなところで車が壊れたら助けが来る前に凍死してしまうと考え、車のエンジンはかけたままにしてプラプラと歩いた。
そこで見上げた夜空は予想を超えていた。天頂から山の稜線間際まで、星が空を埋め尽くしていた。月が凄く明るくて、その明るさを邪魔に感じるほど。昔の人が月明りで道を歩く、そんな状態がよく分かる。中学受験の時、星座を覚えるのが大っ嫌いだった僕も、こんな空の下で生きていたら確かに星の形に名前を付けるかもしれないと思った。自分たちがたてる以外なんの物音も聞こえないピリッと冷たい空気の中で、月明りを浴びながら、まるで原始に帰ったような気持ちになった。
帰りは大月インターから中央道で、また人口光に溢れた街に帰った。八王子インターから大月インター間を下道で移動したことになる。結構な移動距離だ。また観に行きたいと思う。暇な休暇も悪くない。