第423回:夏休み【佐渡編】⑧

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翌日、佐渡滞在最終日。前日よりも更に酒が残っていたけれど、例によってしっかりと朝食を頂いた。この、貧乏性というのか、もったいない性というのか、とにかくダイエットの大敵である。朝食会場には、いよいよ明日に迫ったトライアスロン大会のために泊まっている選手の方たちもたくさんいて、本当に合宿に来ているような気分になった。ただ、トライアスロン系の選手の体つきは、僕のそれとは明らかに違う。簡単に言えば細マッチョかゴリマッチョか、という話だ。向こうは僕のことを見て「アスリートだろうけど、トライアスロンか・・・?」というような表情を浮かべていた。

朝食後、この日は二度寝はせず、大浴場で長めの入浴をした後、チェックアウトした。

まだフェリーの出航までには時間があったから、「晴れていたらドライブには最高」と噂の佐渡スカイラインを走った。島のくびれの少し上のあたりを東西に横断する道だ。ちょうど島の真ん中あたりの山の上からは、佐渡全域を見渡すことができ、天気がいい日には本土がくっきり見えるらしい。この日の僕はただ霧で見通しの悪い山道をただただ注意深くドライブしたのだけれど。

帰りのフェリーも両津港から新潟港のルート。記憶が鮮明なうちに、と船の中でこの紀行文を書こうとしたけれど、何となくヤル気が起きなかったからやめておいた。ここで書いておかないと、また月末に焦ることになるだろうな、と思った。いつだって分かっちゃいるんだ。でも出来ないんだ。

 

こうして僕の初めての一人旅が終わった。とにかく天気には恵まれなかったけれど、僕の好きな絶景系は全くなかったけれど、思いがけない人との出会いが楽しい旅行だった。そして色々と美味しかった。一人旅も悪くない。というよりなかなか良い。ただ、もし天気がよくて、キレイな景色をたくさん見ることが出来ていたら、もしかしたら隣に誰もいないことを寂しく思ったかもしれない。まぁそういう旅もいつかはやってみたいものだ。来年の夏休みまでに彼女ができなかったら、そのタイミングででも。