第477回:シェアサイクル

Pocket

今年、車を手放してから“移動手段”について考える機会が増えた。以前なら結構距離があるところでも、超都心の細々したところでも、どんなところでもまずは車で、と考えていたのだから無理もない。それで、この前書いたように弊社のタイムズカーシェアユーザーになったのはもちろんのこと、最近シェアサイクルも使い始めた。

 

ある夜、用事がかなり長引いて、あと1-2時間で始発電車が動き出すという時間に中野あたりで取り残された。始発までもう少しだからタクシーで帰るのももったいない気がして、どこか明るいところで時間でも潰すかと駅に歩いていくと、あの赤い自転車たちがいたのだ。なるほどこの手があったか、とその場で会員登録して使ってみると、なかなか便利なものではないか。

何が便利って、乗り捨てができることだ。中野で借りた自転車を、家の近くのスポットに乗り捨ててカギをかければ、それでOKなのだ。次の日わざわざ中野まで返しに来なきゃいけないとなると間違っても借りないけれど、このシステムなら言うことなしだ。

そしてこの自転車たち、なんと電動自転車なのだ。なんだかんだ言って電動には縁の無かった僕は、この夜が電動自転車デビューだった。感動した。家まで10kmくらいの道のりが全くキツくなかった。結構飛ばしたつもりだけど、この僕が汗ばみさえもしなかった。いつも普通の自転車で坂道をギコギコ漕いでいる僕の横を、子供を後ろに乗せた電動自転車のオバちゃんが立ち漕ぎもせずスイーッと追い越していく意味が初めて分かった。普通の自転車とは全然違うのだ!

 

それからと言うもの、たぶん10km圏内くらいのちょっとした用事ならこの自転車を使って移動することが多くなった。便利な世の中だが、色んなサービスも使ってみないとその快適さは分からない。“移動”に関するサービスを提供する者として、もっと身を持って色々勉強しようと思う。