第531回:ドラえもん

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一定数の人を一気に敵に回しそうな発言だが、僕は”ドラえもん”があまり好きではないのかもしれない。日本のごく普通の家庭で育った僕は、当然少なからず”ドラえもん”と触れてきたわけだけれど、存在が当たり前すぎて好きとか嫌いとかの視点では考えたことがなかった。しかし気付いてしまったのだ。正確に言うと、映画verの、特に最近のやつを、どうやら僕はかなり嫌いみたいだ。藤子不二雄先生ご本人が描いていた頃の作品は、残念ながらそれと意識して観たことがないから分からないけれど。そして長く続いた作品は概して最初の頃の方が面白いものだけど。

“嫌い”と気付いたのは、先日地上波で放送された”STAND BY ME ドラえもん”を観た時のことだ。もちろん子供向けの映画だから(とはいえ「大人も泣ける」という売り文句なのだけど)、動作がいちいち大げさでわざとらしく、ストーリーが至極短絡だ。それは別に構わない。子供向けなのだから。その上で何が許せないって、のび太がクズすぎてイライラが止まらないのだ。色々なことが”できない”ことを攻めるつもりはさらさら無いのだけれど、ヤツは全く努力しない。それが嫌だ。加えて、そんなクズをドラえもんがいちいち素敵な道具で甘やかすもんだから、終いにはドラえもんにまでイライラしてくる。いったん気付くと止まらない。意味もなく弱い者いじめするジャイアンも嫌いだし、theピュアで良い子みたいなリアクションしかしないしずかちゃんも好きにはなれない。いっぽうスネ夫は、弱くて、それが故にズルくて、ある意味人間味があるから嫌いではなかったりする。

と書いていて、まぁ僕が変わってるんだろうな、と思うよ。それに人の好き嫌いに対してモノを申す気は全くないから、別に好きな人がたくさんいるのも良いと思うし、嫌いと言う僕を攻めないでね。