第546回:日比谷音楽祭

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毎年、日比谷公園で開催される屋外音楽イベント”日比谷音楽祭”に、今年は行きたいと思っていた。ご推察の通り、今年はMr.Childrenのボーカル桜井さんが出演するからだ。イベントは5/29~30の二日間の日程で、桜井さんが出演するのは5/30(日)。運命かな、僕の30歳の誕生日である。「あぁ、これはきっと桜井さんから僕への誕生日プレゼントに違いない」と、久しぶりにちゃんとチケット抽選に応募していた。

しかし残念ながらこのイベントも、漏れなく感染症の影響を受けて実開催は中止、オンラインでのライブ配信となった。ライブ配信してくれるだけありがたいとは言え、何かしら機器を通してしまう時点で、YouTubeやDVDと何ら変わらない。対面でのビリビリくるリアリティはない。リアルタイムで繋がっている、今この世界のどこかで桜井さんが歌っている、という気持ちの違いがあるだけだ。一人暮らしの僕が、自分の家で、一人で、ライブ配信なんか見たところで、誕生日の寂しさが増すだけで、ちっとも嬉しくない。友達で集まってパブリックビューイングでもしたいものだが、それさえも憚られる時代である。

外出禁止、集会や会合も禁止、加えて禁酒。語弊を恐れず言うならば、戦時中のようだ。いや実際、人類をあげてのウイルスとの戦争中なのだ。だから「欲しがりません。勝つまでは。」なのだ。まあ歴史として顧みるならばその言葉自体には問題があるにしても、時代のただ中にある一民としての思いはまさにそれだ。そう考えると、なんだか仕方がないと思えたりもする。とりあえず元の生活のレベルまでに収束するのは、1、2年後だろうか?腹を括って気長に頑張るしかない。