第558回:厚底デビュー
コロナのせいで出場した公式大会は未だ青梅マラソン1回のみではあるが、僕がファイターからランナーに転身してから早三年くらいが経った。特別記録が伸びている訳でもないけれど、健康と体型の維持のため、週50kmくらいはせっせと走り続けている。ぼちぼち次の大会(今度は42kmのやつに出てやろうと思っている)の出場を決めて、それに向けて目標タイムを設定して、コツコツ身体作りなんかをしたいものだが、いかんせんコロナ禍では色々と難しい。10月に予定されていた東京マラソンも、とりあえず来年3月に延期になった。
そんな、なかなか目標が立たない中ではあるが、先日僕もついに厚底シューズデビューを果たした。僕に走ることを勧めてくれ、青梅マラソンも一緒に走った方から、少し遅めの誕生日プレゼントとして贈られたのだ。adidasのADIZERO ADIOS PRO 2.0というモデル。厚底は思っていたよりも柔らかく、足の裏がフニフニしたような感覚。つま先にかけて底は薄くなっているようで、確かにグッと足首が伸ばされ、前に進まされるような設計だ。軽くするために底の幅は狭い。だから左右に足首を捻らないように少しだけ意識する必要もあるんだとか。底の消耗が激しいらしく(これだけ柔らかく軽い素材なら、なんとなく納得ではある)、毎日10kmなんか走っていると1年も持たずにダメになってしまうかもしれないとのこと。
もらってから数日後のランニングで一度だけ履いてみた。慣れてないせいで、どことなく不自然な走りだったような気もするが、確かに速い。1kmあたり5分ちょうどくらい。ただ、“速く走れている”というよりは”速く走らされている”ような感覚。一歩ごとに「はい、次!」と前に進まされているようなイメージだ。加えて「今日の自分は速い靴を履いている」という自信のようなプレッシャーのようなもののせいで、心なしか頑張って速く走ったような気もする。
一度だけ履いてみた、というのは、この靴の消耗が激しいという点を考慮してのこと。普段のランニングで履いて、来年にはダメになるのはやはり勿体ない。次、何かしらの大会出場が決まってから、練習として調整しながら履いていこうと思う。だから、もうしばらくは押入れの中に眠っていてもらうことにする。また一つafterコロナの楽しみとして。