第561回:失敗した燻製
夏が終わり、少し涼しくなってきた今月中旬、僕の実家の青梅で、炭火で色々なものを焼いて食べてみる、という遊びをした。相方と二人、今は空き家となっている亡くなった祖父母の家の広いウッドデッキで、BBQ用のコンロに炭火を起こして、焼いたら美味しそうなものをいくつか焼いてみた。普通のお肉やホタテなんかはもちろん、マシュマロとか、秋だから秋刀魚とか、。
そんな中、相方が今回どうしてもやりたいと言ったのが燻製である。燻製などと聞くと、大層な機材一式を買って、色々と面倒なことをしなくてはならないのでは、と思ったが、聞くと意外に安く簡単にできると言う。火に直接かけられるそこそこ大きいステンレスのボウル二つと、そのボウルにすっぽり収まるくらいの小さな網、あとは香りのある煙を出すための専用の燻製チップ(木片)があればいい。全部100円均一で手に入るから、せいぜい4-500円で全部揃う。作り方もいたってシンプルで、一つのボウルに燻製チップを敷いて、その上に直接チップに触れないように網を置き、その上に燻製したい食材を並べ、もう一つのボウルでぴったり蓋をする。それを火の上に置いて10分、チップが燃えたら、火からおろして2時間くらい放置すれば完成。とのことである。
それで、ピーナッツやチーズ、ソーセージなんかを適当に網に並べて、上の手順通りにとりあえずやってみた。放置して2時間後、蓋を開けて笑ってしまった。並べておいたチーズの大半が綺麗に溶けて、下のチップに埋もれていたのだ。どうやら、熱で溶ける系の食材は、網の上にアルミホイルなんか敷いて置かなきゃいけなかったらしい。なんとなく一番期待していたチーズが綺麗に無くなっている光景がシュールで、自分たちの間抜けさに笑ってしまった。
とは言え、残った食材は、確かに燻製になっていて、「あ、本当にこんなんで出来るんだ」という感動があった。ちなみに、ピーナッツの燻製はさほど美味しくなかった。ソーセージは、まぁこんな感じだよね、という味。なんだかんだ言って、網にこびり付いて少しだけ残っていたチーズが一番美味しかった。
何事も経験だ。次はもっと上手にやろう。